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大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の取扱方法まとめ

目次

SOG(方向性地絡継電器)について

DGRは、地絡事故を検出して電気回路を保護する継電器の一種。
主な特徴として地絡電流の大きさに加えて、その方向(位相)を検出できることが挙げられる。
これにより、事故が発生した方向を特定し、自らの構内で発生した地絡事故と、他の場所で発生し自らの設備に影響を与えている地絡電流(もらい事故)とを区別することができる。

ODG-S31形はDGR中のSOGに分類される。
SOGとはStorage Over current Groundの略で過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ動作のことをいう。

SOG付開閉器の動作

  1. 地絡事故時は、SOG制御装置(地絡継電器)が作動し、開閉器を開放させる。
    (電源側の高圧電路は停電しない)
  2. 過電流事故時(開閉器のロック電流値以上の事故電流)は、電源側の遮断器の動作により高圧電路が停電して制御電源がなくなると、開閉器は自動的に開放し事故点を切り離す。(SO動作)
  3. 地絡と過電流事故が重なった時は、過電流蓄勢トリップ動作(SO動作)が優先し、2)と同じく過電流事故時の動作をする。

大垣電機の仕様書では「本器の負荷側で発生した地絡事故の場合には本器が感知して直ちに開閉器は開放します。また、本器が過電流(ロック電流値以上)を感知した場合、電源側の遮断装置が動作して停電し、SOG制御器の電源が無くなれば開閉器は開放します。」と説明されている。
大垣電機の開閉器(OAG-CPD5形・OAG-CD5形など)の過電流ロック電流値は600±100A。


大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の定格

SOG制御器(ODG-S31形)の形式

形式設置・構造図番
ODG-S31-A屋外形(プラBOX)435365
ODG-S31-A屋外形(SUSBOX)435455
ODG-S31-B屋内埋込形435366
ODG-S31-C屋内露出形435367

SOG制御器の外箱にステンレスBOX(SUSBOX)を使う場合は、外箱をD種接地する(開閉器のA種接地との共用接地も可)。

開閉器の形式(気中開閉器)

形式は「OA□-□□□□□□□□」の並びで表す。

位置項目記号と意味
1文字目社名O:Ogaki
2文字目消弧媒質A:Air(空気)
3文字目SOG機能の有無G:SOG機能有り/S:SOG機能無し
ハイフンの後手動操作限定H:手動操作のみ/空白:SOG機能有り
〃外箱ケース材質B:鋼板製/C:ステンレス製
〃制御電源用変圧器P:内蔵形/空白:無し
〃避雷器L:内蔵形/空白:無し
〃方向性区分D:方向性/空白:非方向性
〃外箱ケース表面処理Z:溶融亜鉛めっき/空白:塗装
〃高圧口出線K:モールドコーン付/空白:一般
末尾バージョン5:2002年〜佐助くんシリーズ/3:1993〜2002年/2:1990〜1993年

例:OAG-CPD5=SOG機能有り・ステンレス製・VT内蔵・方向性・佐助くんシリーズ

組み合わせる開閉器の定格(取扱説明書 取説No.2002)

項目内容
形式内蔵機器無し:OAG-CD5/OAG-CDK5(モールドコーン形)
LA(避雷器)内蔵:OAG-CLD5/OAG-CLDK5(モールドコーン形)
定格電圧7.2kV
定格耐電圧60kV
定格周波数50/60Hz
定格電流200A/300A/400A
定格短時間耐電流200A:8.0kA/300A・400A:12.5kA
定格短絡投入電流200A:C20kA/300A・400A:C31.5kA
系統短絡容量200A:100MVA/300A・400A:160MVA
ロック電流値600±100A
開閉性能負荷電流:200A・300A・400A-各200回
励磁電流:10A・15A・20A-各1000回
充電電流:10A-1000回
連続無電圧:1000回
耐塩じん汚損特性耐重塩じん用(等価塩分付着量0.35mg/cm²)
準拠規格JIS C 4607
LA(避雷器)内蔵の場合定格電圧8.4kV、公称放電電流2500A、商用周波放電開始電圧17kV以上、制限電圧40kV以下、ZnO(酸化亜鉛)・ギャップレス
使用条件周囲温度-20℃〜40℃、標高1000m以下
(異常な振動や衝撃のある場所、粉塵や腐食性ガスのある場所は避ける)

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の仕様

項目内容
定格制御電圧AC100/110V(制御電圧変動範囲AC85〜120V)
定格周波数50/60Hz
地絡動作電圧整定値(完全地絡時の)2.5-5.0-7.5-10%(4段切替)
動作位相特性一般地区(非接地):進み115°〜165°、遅れ15°〜45°
PC接地地区:進み105°〜135°、遅れ45°〜75°
地絡動作電流整定値0.2-0.3-0.4-0.6-0.8A(5段切替)
地絡動作時間整定値0.2-0.3-0.4-0.6-0.8秒(5段切替)
警報接点容量DG・SO、自己診断の2a接点 AC250V 5A/DC100V 0.2A
位相特性図下記図参照
規格JIS C 4607・4609 準拠

位相特性図

位相特性図(取扱説明書 取説No.2002の動作位相範囲をもとに筆者が作図。メーカー公表の図ではない)

動作位相切替スイッチについて

ODG-S31形の前面には「動作位相切替スイッチ」があり
接地方式に合わせて設定する。

  • 非接地(方式):一般地区
  • PC接地(方式):四国地区

大垣電機の取扱説明書では
「接地方式に対応するため、設定確認願います。設定を誤りますと、正常に動作いたしません。」とされている。

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の試験条件および管理値

ODG-S31形の試験条件・管理値は、取扱説明書(取説No.2002)と技術資料(技084a)に載っている。

試験項目方向性:管理値方向性:試験条件
動作電流値整定電流値の±10%以内Vo:整定電圧値の150%(T端子と開閉器アース間に印加)
θ:0°
動作電圧値T端子とアース間に印加:整定電圧値の±30%
主回路3相一括とアース間に印加:整定電圧値の±25%
Io:整定電流値の150%
θ:0°
動作時間下表「動作時間の管理値」のとおりVo:整定電圧値の150%
Io:整定電流値の130%、400%
θ:0°
動作位相特性非接地(一般地区):進み115°〜165°、遅れ15°〜45°
PC接地(四国地区):進み105°〜135°、遅れ45°〜75°
Vo:整定電圧値の150%
Io:整定電流値の1000%

【方向性】

地絡動作電圧は、試験端子(T)と開閉器アース間、あるいは高圧主回路3相一括と開閉器アース間に印加する。
印加する場所によって動作電圧の管理値が異なる(T端子:±30%、主回路3相一括:±25%)。
※地域設定は正面パネルの動作位相切替スイッチで適正地域に設定すること。

Vo:地絡動作電圧
Io:地絡動作電流
θ:動作位相角

動作時間の管理値はSOG制御器のみの時間。
開閉器との連動試験での動作時間は、管理値の上限に0.1秒プラスする。
※ODG-S31形の動作時間整定値は0.2秒からのため、0.1秒整定の管理値は該当なし。
試験電源の周波数は定格周波数(50/60Hz)で行う。定格周波数以外の電源で試験を行うと感度値の誤差が大きくなる(特に発電機を使うとき)。

動作時間の管理値

時間整定値0.2秒0.3秒0.4秒0.6秒0.8秒
130%通電時0.1〜0.3秒0.25〜0.45秒0.34〜0.60秒0.51〜0.90秒0.68〜1.20秒
400%通電時0.1〜0.2秒0.25〜0.35秒0.34〜0.46秒0.51〜0.69秒0.68〜0.92秒

動作電圧の管理値(計算例)

取扱説明書に載っている整定タップごとのV0動作電圧値を基準にして計算した値。
(V0動作電圧値は、完全地絡時の零相電圧約3810V×整定値にあたる)

整定値V0動作電圧値T端子印加(±30%)主回路3相一括印加(±25%)試験時のVo(150%)
2.5%95V約67〜124V約71〜119V約143V
5.0%190V133〜247V約143〜238V285V
7.5%285V約200〜371V約214〜356V約428V
10%380V266〜494V285〜475V570V

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の外部配線図

方向性VT内蔵形接続図

【大垣電機 仕様書A5-2011の制御回路結線図をもとに作図】

  • 開閉器と制御器は11芯ケーブルで接続する。
  • 11芯ケーブルのうち、Z1、Z2、Y1の3芯はシールド付き。
  • 制御電線に符号が印刷されているので、端子符号を確認して配線すること。
  • SOG制御器は開閉器内部で接地されているので、開閉器のみ接地すること。
  • 凡例:ZCT=零相変流器、OC=過電流検出リレー、TC=引外しコイル、ZPD=零相電圧検出用コンデンサ、VT=制御電源用変圧器
  • 開閉器内蔵のVT(制御電源用変圧器):6,600V/105V、25VA(定格負担)

方向性VTなし形接続図

【大垣電機 取扱説明書 取説No.2002の結線図をもとに作図】

  • VTを内蔵しないため、開閉器との接続は9芯ケーブル(P1、P2なし)。SOG制御器のP1・P2には外部からAC100Vを接続する。
  • 9芯ケーブルのうち、Z1、Z2、Y1の3芯はシールド付き。標準の長さは10m。

方向性LA内蔵形接続図

【大垣電機 取扱説明書 取説No.2002の結線図をもとに作図】

  • 避雷器(LA)を内蔵し、雷に対する保護を向上した機種。
  • 開閉器との接続は9芯ケーブル。9芯ケーブルのうち、Z1、Z2、Y1の3芯はシールド付き。
  • LA内蔵の開閉器は、接地線を14mm²以上にする。

接地・制御ケーブル・制御電源の注意(取扱説明書より)

  • 開閉器のハンガー板部の接地端子(E表示)は必ずA種接地(10Ω以下)する。接地線は内蔵機器無し:5.5mm²以上、LA内蔵:14mm²以上(接地線は22mm²以下。取説の注意事項)。接地をしないと、地絡事故が発生しても動作しない。
  • 制御線のZ2とシールドは開閉器内部で接地されているので、SOG制御器側で新たに接地しない。
  • 制御ケーブルは高圧配線から30cm以上離す。曲げる場合は曲げ半径80mm以上。
  • 制御ケーブルを切断する場合は、シールド(銅テープ)が他のリード線に触れないようにする。
  • 制御ケーブルの延長は、開閉器直付けの10mを含めて、延長ケーブルが1.25mm²なら110mまで、2mm²なら170mまで。延長には3芯シールド付ケーブル(CVV-Sなど、Y1・Z1・Z2の3芯のみを入れる)と6芯ケーブル(CVVなど)を使う。
  • 延長ケーブルのシールドはSOG制御器側で引き出し、単独でD種接地する。
  • 制御電源は自系統の負荷から取る。別系統から取るとSO動作(過電流→停電→蓄勢トリップ)ができない。
  • 開閉器が「入」のときは常に制御電源が印加されるようにする(制御スイッチの開放やヒューズの溶断で制御電源が切れないように注意)。
  • 屋外形は、ケーブル挿入口の隙間からアリなどの小動物が入って不具合になることがあるので、コーキング剤などでふさぐ。

警報接点の使用例

DG・SO用の警報接点(B1・Bc)は瞬時形で自動復帰するので、動作状態を保持したい場合は補助リレー(X1)と復帰ボタン(PB)で自己保持回路を組む。

  • 警報接点は無電圧のa接点。
  • 警報用電源は別電源(AC/DC)とする。
  • 回路図の記号:PB=復帰ボタン、X1=補助リレー、BZ=警報用ブザー、L=警報用ランプ
動作の状況動作接点接点動作
地絡トリップのときB1・Bcが閉路瞬時復帰接点
過電流蓄勢トリップのときB1・Bcが閉路瞬時復帰接点
地絡を検出し、なおかつ過電流蓄勢トリップのときB1・Bcが閉路瞬時復帰接点
自己診断異常のときB2・Bcが閉路接点キープ

警報接点

設置・構造形式端子符号用途・機能閉路時間
屋外形・屋内埋込形・屋内露出形(共通)B1-Bc地絡・過電流共用(DG・SO)瞬時復帰
〃B2-Bc自己診断異常時ON継続(接点キープ)

※閉路時間は制御器の銘板表示・取扱説明書による。
※製造時期によって警報接点の符号・用途が異なる(下表)。

製造時期地絡動作時過電流動作時自己診断異常時
2003年以前a1-a2a1-a2-
2003年以後BC-B1BC-B2BC-B2
2008年以後BC-B1BC-B1BC-B2
2020年11月以後B1-B2B1-B2-

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の端子配置

ODG-S31の端子台(現地で撮影)

端子台の並び:P1 P2 Bc B1 B2 T Kt Lt Va Vb Vc Y1 Z1 Z2

SOG制御器端子記号の説明

端子端子の種類(機能説明)
P1制御電源入力端子(AC100V)。
VT内蔵開閉器の場合は開閉器からの制御線(電線色:黒)を接続する。
P2制御電源入力端子(AC100V)。
VT内蔵開閉器の場合は開閉器からの制御線(電線色:白)を接続する。
P2端子は必ず接地側に接続すること(銘板表示)。
Bc・B1・B2警報接点(無電圧a接点)。
Bc-B1:DG・SO用警報接点(瞬時復帰接点)
Bc-B2:自己診断警報接点(異常時ON継続)
T零相電圧の試験端子(方向性機種)。電線色:灰
Kt地絡試験電流入力端子。電線色:茶
Lt地絡試験電流入力端子。電線色:白
VaVa-Vc:引外し回路。電線色:黄
VbVb-Vc:過電流検出回路。電線色:青
VcVa・Vbとの共通端子。電線色:緑
Y1Y1-Z2:零相電圧入力(方向性機種)。電線色:橙
Z1Z1-Z2:地絡電流入力回路。電線色:赤
Z2Z1・Y1との共通端子。電線色:黒

※制御ケーブルを延長する場合は、Z1、Z2、Y1はシールド付きの線で行うこと
(銘板表示。誤動作の原因となる)。
P1・P2端子にはAC100V、Va・Vc端子にはDC140Vが印加されているので、端子に触れないこと(感電のおそれ)。

製造時期による電線色・符号の違い

大垣電機の開閉器とSOG制御器は
製造時期によって制御線と端子台の「電線色」「符号」が異なる。新旧の互換性は持たせてある。

1993年以前1993年以後2003年以後2015年4月以後2020年11月以後用途
Va(黄)Va(黄)Va(黄)Va(黄)Va(黄)引外し回路(Va-C及びVa-Vc)
過電流検出回路(a-c及びVb-Vc)
a(青)Vb(青)Vb(青)Vb(青)Vb(青)〃
c(赤)Vc(緑)Vc(緑)Vc(緑)Vc(緑)〃
Z1(白)Z1(赤)Z1(赤)Z1(赤)Z1(赤)地絡電流入力回路
Z2(黒)Z2(黒)Z2(黒)Z2(黒)Z2(黒)〃
kt(茶)kt(茶)kt(茶)kt(茶)kt(茶)地絡試験電流入力端子
Lt(緑)Lt(白)Lt(白)Lt(白)Lt(白)〃
E(灰)E(緑)E(緑)--シールドアース
a1・a2a1・a2B1・B2・BCB1・B2・BCB1・B2警報接点(無電圧a接点)
Y1(橙)Y1(橙)Y1(橙)Y1(橙)Y1(橙)方向性機種
T(灰)T(灰)T(灰)T(灰)T(灰)〃
-P1(黒)P1(黒)P1(黒)P1(黒)VT内蔵機種
-P2(白)P2(白)P2(白)P2(白)〃
  • 符号の表示方法:1993年以前は電線にマークバンドを付けて表示、1993年以後は電線に直接印刷して表示。
  • 特に異なる符号は「a」と「c」で、「a」と「Vb」、「c」と「Vc」は表現を変えただけで、回路的には同じ。
  • 制御器によっては「Vc」と「P2(制御電源の接地極)」が共用の端子になっている製品があるので注意すること。

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)各部の名称

項番名称機能
(1)I0電流整定(A)Io電流整定タップ。地絡動作電流整定値を設定する(0.2-0.3-0.4-0.6-0.8A)
(2)V0電圧整定(%)Vo電圧整定タップ。地絡動作電圧整定値を設定する(2.5-5.0-7.5-10%)
(3)時間整定(S)動作時間整定タップ。地絡動作時間整定値を設定する(0.2-0.3-0.4-0.6-0.8秒)
(4)電源電源ランプ。制御電圧が印加されていると点灯する
(5)自己診断自己診断ランプの状態を表示する。
消灯:正常、点灯:自己診断異常、点滅:トリップ回路異常(銘板表示)
(6)動作位相切替スイッチ非接地/PC接地を切り替える
(7)試験(DG)DG試験釦。押すと地絡動作の確認ができる(DG動作表示器が黒→橙になり、開閉器がトリップする)
(8)試験(SO)SO試験釦。押すとSO動作の確認ができる(SO動作表示器が黒→橙になり、開閉器がトリップする)
(9)動作表示 DG/復帰DG動作表示器。地絡動作すると黒→橙に変わる。下の表示復帰釦を押すと元に戻る
(10)動作表示 SO/復帰SO動作表示器。SO動作すると黒→橙に変わる。下の表示復帰釦を押すと元に戻る

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の動作確認方法

開閉器の負荷側を点検するときの安全処置

  • 開閉器に6.6kVが印加されている場合は、負荷側の回路を点検し、十分に安全を確認してから開閉器を「入」にする。
  • 開閉器の負荷側を点検するときは、開閉器を「切」にしたあと、安全処置として必ず次のことを行う(感電のおそれ)。
    ・検電器で無電圧であることを確認する。
    ・開閉器の負荷側の回路を接地する。
    ・点検が終わったら、必ず接地を外す。

地絡動作の確認

■ 試験用スイッチの確認

  1. 負荷側(高圧)回路の安全と電線接続を確認し、開閉器を投入する。
  2. SOG制御器のP1・P2端子に、開閉器の投入と同時に制御電源(AC100V)が印加される状態にしておく。
    VT内蔵形は、開閉器を投入すると内蔵VTからP1・P2端子にAC100Vが印加される。
  3. 試験用DGボタンを押す。
  4. SOG制御器のDG動作表示器が黒→橙に変わり、開閉器がトリップする。
  5. 開閉器の操作ハンドルの左側(緑色)を引いてリセットしてから、右側(赤色)を引いて開閉器を投入する。
  6. 表示復帰釦を押して、DG動作表示器を復帰させる。

SO動作の確認

  1. 負荷側(高圧)回路の安全と電線接続を確認し、開閉器を投入する。
  2. SOG制御器のP1・P2端子に、開閉器の投入と同時に制御電源(AC100V)が印加される状態にしておく。
    VT内蔵形は、開閉器を投入すると内蔵VTからP1・P2端子にAC100Vが印加される。
  3. 試験用SOボタンを押す。
  4. SOG制御器のSO動作表示器が黒→橙に変わり、開閉器がトリップする。
  5. 開閉器の操作ハンドルの左側(緑色)を引いてリセットしてから、右側(赤色)を引いて開閉器を投入する。
  6. 表示復帰釦を押して、SO動作表示器を復帰させる。

開閉器のハンドル操作

  • 操作ハンドルに向かって右側(赤色)を引くと「入」、左側(緑色)を引くと「切」。
  • 操作紐は途中で止めずに一気に引く。入・切の状態は必ず指針で確認する。
  • 開閉器がトリップすると、指針は「切」を示すが、操作ハンドルは「入」の位置のまま。いったん左側(緑色)を引いてリセットしないと再投入できない。
  • 操作紐を固定するときは、「入」状態なら「入」のロープを先に、「切」状態なら「切」のロープを先に固定する。

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)試験についての注意事項

① 開閉器をトリップさせずに試験する場合は、制御線Va・Vb・Vcを外す。外した制御線が他の制御線に接触しないように注意する。
このとき自己診断ランプが点滅し、警報接点(Bc-B2)がONするが、異常ではない。
トリップ回路の自己診断を動作させたくない場合は、Va-Vc間に500Ω 5Wの抵抗を接続する(試験が終わったら必ず抵抗を外す)。

トリップ信号発生の確認:Va-Vc間には自己診断機能(引外し回路の断線監視用の微弱電流)のため常時電圧が発生しているので、電圧測定では正常時とトリップ信号発生時の区別ができない。トリップ信号発生の確認は、開閉器との連動動作で行うことが推奨されている。

抵抗測定と絶縁抵抗測定は、電線をSOG制御器の端子台から外した状態で実施すること。

配電線残留電圧の影響について(方向性のみ)

極端な単相回路の接続や高圧自動電圧昇圧器(SVR)の設置によって、配電線の対地静電容量や対地電圧が不平衡だと、地絡事故がなくても零相電圧(残留電圧)が常に発生する。
この状態で試験電圧を加えると、残留電圧と試験電圧のベクトル和がSOG制御器に加わるので、正常値で動作しない場合がある。
この時は開閉器を開放して、残留電圧の影響をなくしてから試験・測定を実施すること。

配電線や負荷設備の極端な単相回路による残留電流の影響も考えられるので、零相電流の入力回路の確認も開閉器を開放した状態で行うこと。

絶縁抵抗測定および耐電圧試験

区分絶縁抵抗測定耐電圧試験印加箇所
開閉器DC1000Vメガー
(100MΩ以上)
AC10350V主回路一括と大地間
(制御線端末を一括接地する)
SOG制御器DC500Vメガー
(100MΩ以上)
AC2000V制御回路一括と大地間
(全ての制御線を外す)
  • 開閉器とケーブルを接続したまま耐電圧試験を行う場合は、三相一括で試験電圧AC10.35kVに限り実施できる。
  • LA(避雷器)内蔵の開閉器は、直流試験電圧20.7kVでの耐電圧試験は行わない(避雷器が動作して正常に電圧がかからず、避雷器が故障するおそれがある)。
  • 受電状態、または開閉器の一次側(電源側)を接続しているときは、開閉器を「切」にする。

大垣製SOG(ODG-S31形)の試験方法

試験回路(VT内蔵でない開閉器の場合)

【大垣電機 取扱説明書 取説No.2002の試験回路図をもとに作図】

試験器の端子接続先(SOG制御器)
補助電源(P1・P2)P1・P2
トリップ出力(T1・T2)Bc・B1(DG・SO警報接点)
電流要素(Kt・Lt)Kt・Lt
電圧要素(u・v・w)T
電圧要素(E)開閉器の本体接地、またはZ2
試験電源AC100V

※試験端子の接続方法は試験器によって異なるので、試験器の取扱説明書を参考にすること。
※開閉器をトリップさせない場合は、制御線Va・Vb・Vcを外す(自己診断ランプが点滅するが異常ではない)。

各試験の手順(取扱説明書より)

動作電流値試験

  1. テスト端子(T)と開閉器のアース間に、V0動作電圧値(2.5%:95V、5.0%:190V、7.5%:285V、10%:380V)の150%を印加する。
  2. 動作位相角を0°にする。
  3. 各I0電流整定タップについて、Kt-Lt間にI0電流を徐々に流し、SOG制御器が動作する電流値を求める。

動作電圧値試験

  1. Kt-Lt間にI0電流整定タップ値の150%を流す。
  2. 動作位相角を0°にする。
  3. 各V0電圧整定タップについて、テスト端子(T)と開閉器のアース間にV0電圧を徐々に印加し、SOG制御器が動作する電圧値を求める。

位相特性試験

  1. Kt-Lt間にI0電流整定タップ値の1000%を流す。
  2. 動作位相角を0°にする。
  3. テスト端子(T)と開閉器のアース間に、V0電圧整定タップ値の150%を印加する。
  4. I0電流の位相を変えて、SOG制御器が動作する位相角を求める。

動作時間特性試験

  1. テスト端子(T)と開閉器のアース間に、V0電圧整定タップ値の150%を印加する。
  2. 動作位相角を0°にする。
  3. Kt-Lt間に、各I0電流整定タップ値の130%または400%の電流が流れるようにセットする。
  4. いったんV0電圧とI0電流を切り、カウンタ回路をセットしてから、V0電圧とI0電流を急に加え、SOG制御器が動作するまでの時間を求める。

管理値は、いずれも「試験条件および管理値」の章のとおり。


大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の自己診断機能

ODG-S31形には自己診断機能がある(取扱説明書 取説No.2002)。
SOG制御器の内部回路と、開閉器のトリップ回路の2つを診断する。異常がなければ、約24時間毎に自己診断を行う。

SOG制御器内部回路の自己診断開閉器のトリップ回路の自己診断
診断の対象地絡検出回路(DG)と過電流検出回路(SO)開閉器内のトリップ回路(Va-Vc間)の断線監視
診断のタイミング電源を印加して約10秒後電源を印加して約10秒後から常時
異常時の表示自己診断ランプが点灯自己診断ランプが点滅
警報接点B2-BcがONB2-BcがON
診断をキャンセルする条件地絡事故を検出しているとき
過電流を検出しているとき
過電流を検出しているとき(Vb-Vc短絡)
  • 警報接点のON状態は電源を切っても継続される(技004。ODG-S3形の記載)。
  • 自己診断表示は電源を切ると解除される。電源を再び印加すると、再度自己診断を行う(技004。ODG-S3形の記載)。
  • 動作試験などで制御線Va・Vcを外して制御電源を印加すると、自己診断ランプが点滅し警報接点がONするが、異常ではない(Va-Vc間に500Ω 5Wの抵抗を接続すれば防げる。試験後は必ず外す)。

自己診断機能付きSOG制御器一覧(方向性)

形式種類生産期間自己診断表示自己診断警報接点トリップコイル断線監視
LDG-28D形屋外形・屋内露出形1995〜2002年電源ランプの消灯無し無し
LDG-28B形屋内埋込形1998〜2002年電源ランプの消灯無し無し
ODG-TF1形屋外形・屋内露出形2002〜2005年自己診断表示灯の点灯有り有り
ODG-TB1形屋内埋込形2002〜2005年自己診断表示灯の点灯有り有り
ODG-S2A形屋外形・屋内露出形・屋内埋込形2002〜2008年自己診断表示灯の点灯・点滅有り有り
ODG-S3形屋外形・屋内埋込形・屋内露出形2008年〜自己診断表示灯の点灯・点滅有り有り
  • LDG-28B形で1998年以前の同一形式のものは自己診断機能無し。
  • 非方向性機種には、自己診断機能付きの製品はない。
  • この一覧(技005)にはODG-S31形は載っていないが、取扱説明書ではODG-S31形もODG-S3形と同じく自己診断ランプの点灯・点滅と警報接点(Bc-B2)を持つ。

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の保守点検

取扱説明書に載っている点検項目。点検頻度・項目は、設置場所・環境・使用状態・使用期間に応じて実施する。

項目チェックポイント
開閉器本体異物や樹木の接触・接近がないこと
開閉器表示指針が的確に指示していること
高圧線接続部の絶縁処理に剥がれ・変色がないこと
開閉器外箱のEが確実に接地されていること
接地抵抗が適正であること
ブッシング部に亀裂や割れがないこと(あれば早急に開閉器を取り替える)
操作紐に切れかかりがなく、たるみがないように固定されていること
開閉器とSOG制御器の外箱に損傷・発錆・変形がないこと
共通開閉器とSOG制御器の取付状態が確実に固定されていること
SOG制御器制御電圧が印加され、電源表示灯が点灯していること
動作表示器が動作(橙色)していないこと
SOG制御箱の扉が確実に閉めてあること

動作異常時のチェックポイント

状況チェックポイント
SOG制御器が動作しない制御電源が印加されているか
I0動作電流の極性は正しいか
Z1・Z2の接続は正しいか
開閉器のアースは適切か
開閉器が正常にトリップしないGR動作時のVa-Vc端子間の電圧はDC140Vが正常に出ているか
制御線Va-Vc端子間(トリップ回路)の抵抗は約25Ωか

※開閉器の電源側・負荷側を逆に接続すると、地絡継電器の極性が反対になり、保護範囲(負荷側)の事故を検出できない。高圧回路は、ハンドル側から見て左が電源側、右が負荷側。

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)不具合時のチェック項目

年次点検時などに正常に動作しない場合は、下表の項目をチェックすることで不具合の要因を絞り込むことができる。

  • 不具合が開閉器側に起因する場合は、互換性のある開閉器と交換する。
  • 不具合がSOG制御器側に起因する場合は、互換性のあるSOG制御器と交換する。
  • 互換性機種は大垣電機に問い合わせる。使用年数によっては、開閉器とSOG制御器をセットで交換することが推奨されている。

開閉器側

項番項目基準値解説・処置方法
1Va-Vc間の抵抗(トリップ回路の抵抗)約25Ω引外し回路の健全性の確認。断線(∞Ω)や短絡(0Ω)に近い状態だと開閉器をトリップさせることができない。開閉器の交換が必要
2Va・Vb・Vc一括と開閉器アース間の絶縁抵抗(500Vメガー)100MΩ以上:異常なし
10〜100MΩ:精密点検要
10MΩ以下:要取替え
制御回路の絶縁状態の確認。絶縁低下の場合は、開閉器内部の吸湿、浸水、制御回路の焼損などが考えられる。開閉器の交換が必要
3Z1-Z2間の抵抗約13Ωまたは約5ΩZCTの健全性の確認。ZCTの故障が考えられる。開閉器の交換が必要。基準値との差が大きいと、最小動作電流試験の管理値±10%に入らない可能性がある
4Y1-Z2間の抵抗約80ΩZPDの健全性の確認。ZPDの故障が考えられる。開閉器の交換が必要。基準値との差が大きいと、最小動作電圧試験の管理値±25%または±30%に入らない可能性がある

SOG制御器側

項番項目基準値解説・処置方法
1通常時のVa-Vc間の電圧DC約140V出力回路の健全性の確認。基準値との差が大きい場合は、出力回路または断線監視機能に異常がある可能性がある。SOG制御器の交換が必要
2トリップ信号発生時のVa-Vc間の電圧DC約140V出力回路の健全性の確認。常時DC約140Vが発生しているため、トリップ信号発生の確認は開閉器との連動動作で行う。異常時はSOG制御器の交換が必要
3Kt-Ltに0.2A流した時のZ1-Z2間の発生信号AC約20mVI0入力回路の健全性の確認。基準との差が大きいと、最小動作電流試験の管理値±10%に入らない可能性がある。残留電流の影響を避けるため、開閉器を開放した状態で測定する。異常時はSOG制御器の交換が必要
4Z1-Z2間の抵抗約100ΩI0入力回路の健全性の確認。電線を外して端子間の直流抵抗を測定する。異常時はSOG制御器の交換が必要
5T-E間に190V印加した時のY1-Z2間の発生信号AC約380mVV0入力回路の健全性の確認。基準との差が大きいと、最小動作電圧試験の管理値±25%または±30%に入らない可能性がある。残留電圧の影響を避けるため、開閉器を開放した状態で測定する。異常時はSOG制御器の交換が必要
6Y1-Z2間の抵抗約100kΩV0入力回路の健全性の確認。電線を外して端子間の直流抵抗を測定する。異常時はSOG制御器の交換が必要

※Z1-Z2間、Y1-Z2間の抵抗は、開閉器側と制御器側で基準値が異なるので、どちら側を測っているか注意すること。
※開閉器側の4項とSOG制御器側の5項・6項は、方向性機種のみが対象。


大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の制御電源電流

ODG-S31形の値は資料に記載がないため、同じ資料系統のODG-S3形の値を参考として示す。

形式状態制御電源AC100V時の電流値P1-P2間の抵抗値(直流抵抗値)
ODG-S3形(S3-B形)常時約38mA約250Ω
〃動作時約44mA〃

大垣製SOG(方向性ODG-S31形)の更新時期

大垣電機は、日本電機工業会の資料を引用して
次の更新推奨時期(使用開始後)を示している。

機器更新推奨時期
高圧交流負荷開閉器(屋内用)15年または負荷電流開閉200回
高圧交流負荷開閉器(屋外用)10年または負荷電流開閉200回
GR付き開閉器の制御装置10年
  • 屋外柱上設置の高圧開閉器は、10年経過する頃が更新の目安となる。
  • 更新推奨時期は、機能や性能に対する製造者の保証値ではない。通常の保守点検を行ったうえで使用した場合に、新品と交換した方が経済性を含めて一般的に有利と考えられる時期をいう。
  • SOG制御装置には電子部品が多数使用されているため、早めの更新が望まれる。
  • 「入」「切」操作用の紐は紫外線などで劣化するので、早めに取り替える(取扱説明書)。

参考資料

大垣電機株式会社 取扱説明書 取説No.2002(2020年2月27日)「過電流ロック形高圧気中開閉器(方向性)OAG-CD5・OAG-CDK5・OAG-CLD5・OAG-CLDK5」 より一部引用

https://www.ogakidenki.co.jp/pdf/
大垣電機株式会社 開閉器関連技術資料 TECHNICAL GUIDE より一部引用

大垣電機株式会社 製品仕様書 より一部引用

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この記事を書いた人

はじめまして、当ブログ「名無し電気管理事務所」を運営している名無しと申します。
ここでは、私の経歴や当ブログの運営目的についてご紹介します。

1. 保有資格
実務に関わる以下の国家資格を保有しています。

第3種電気主任技術者(2023年取得)

第1種電気工事士

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現在は電気保安法人にて、保安業務従事者として勤務しています。

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