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電気主任技術者に関係する電気保安体系についてのまとめ

目次

電気保安体系一覧図

電気保安体系の説明

電気工作物

電気工作物とは、電気事業法において、電気を供給するため、または使用するために設置される機械、器具、ダム、水路、導管、電線路その他の工作物を指す。
電気保安体系図において、大きく「一般用電気工作物」と「事業用電気工作物」の2つに大別されている。

一般用電気工作物

主に一般家庭や小規模な店舗・工場など
低圧(一般的にAC600V以下)で受電する比較的安全性の高い設備が該当する。

一般用電気工作物に対しては、以下の2つのアプローチで安全が確保されている。

送配電事業者による補完

  • 技術基準適合調査義務 [第57条] (※小規模発電設備を除く)
  • 解説:電気を供給する側(関西電力などの一般送配電事業者や登録調査機関)が、定期的に(4年に1回以上)その一般家庭などの設備が国の定める「技術基準」に適合しているかを調査する義務を負っている。

国の直接監督

  • 技術基準の適合命令、国の立入検査 [第56条、第107条]
  • 解説:万が一、設備に危険があり技術基準に適合していないと認められる場合
    国は所有者に対して適合命令を出すことができる。
    また、必要に応じて国が立ち入り検査を行う権限を有している。

事業用電気工作物

一般用電気工作物以外のすべての電気工作物。
電気保安体系図においてさらに細かく以下の3つが括られている。

  • 自家用電気工作物(ビル、工場、病院、大規模な太陽光発電所など、高圧・特別高圧で受電する設備)
  • 小規模事業用電気工作物(一定規模の太陽光や風力など、近年規制が見直された小規模発電設備)
  • 事業の用に供する電気工作物(電力会社などの発電所、変電所、送電線路など)

事業用電気工作物は高電圧を扱うため危険性が高く
厳重な保安体制が義務付けられており
図では
●自主保安体制
●国が自主保安を補完
●国の直接監督
の3つの階層で規制が敷かれている。

① 自主保安体制(設置者が自ら守るべき義務)

事業用電気工作物の最大の特徴は
設置者が自己責任において保安を行う「自主保安」となる。

  • 技術基準の適合維持義務 [第39条]
    • 設備を常に国の定める技術基準に適合するように維持・管理しなければならないという
      最も根本的な義務となる。
  • 保安規程の作成、届出、遵守 [第42条]
    • 自社の設備をどのように安全運転・保守するかを定めた「保安規程」を自ら作成し
      国に届け出、それを守る必要がある。
  • 主任技術者の選任、届出、外部委託 [第43条]
    • 工事・維持・運用の保安の監督を行わせるため、電気主任技術者(電験)を選任して届け出る義務がある。
      ※一定の要件(高圧受電設備など)を満たせば
      外部の電気保安法人などに外部委託することも認められている。
  • 基礎情報の届出 [第46条]
    • 設備の概要や保安体制に関する基礎的な情報を国に届け出る義務。
  • 法定自主検査 [第51条、第55条]
    • 設置者自らが行うことが法律で義務付けられている検査で
      使用前自主検査(運転開始前)と「定期自主検査」(運用開始後、定期的に行うもの)に分かれる。
  • 使用前自己確認 [第51条の2]
    • 一定規模の発電設備(中規模太陽光など)において
      工事が完了した際に設置者自らが技術基準への適合性を確認し、その結果を国に届け出る制度。

② 国が自主保安を補完

設置者の自主保安が正しく機能しているかを国がチェック・補完する仕組みです。

  • 安全管理審査(使用前安全管理審査 [第51条] / 定期安全管理審査 [第55条])
    • 解説:大型の火力発電所や特別高圧の設備など、特に重要な電気工作物について、設置者が行った「使用前自主検査」や「定期自主検査」の体制やプロセスが適切であったかどうかを、登録安全管理審査機関や国が審査(監査)する仕組みです。

③ 国の直接監督

義務違反があった場合や、重大な事故が発生した場合など
国が直接関与する強い規制。

  • 工事計画の届出 [第48条]
    • 一定規模以上の電気工作物の設置や変更工事を行う前に、その計画をあらかじめ国に届け出る義務。
  • 自家用電気工作物の使用開始届出 [第53条]
    • 工事計画の届出が必要ない比較的小規模な自家用電気工作物であっても
      使用を開始したときは遅滞なく国に届け出なければならない。
  • 定期検査 [第54条]
    • 特に公共の安全に関わる重要な設備(原子力発電所など)に対し
      国が直接行う、または国が指定する機関が行う定期的な検査。
  • 事故、その他の報告義務 [第106条]
    • 感電死傷事故や、波及事故(自社のトラブルで地域の停電を引き起こすこと)
      火災などが発生した場合、法律に基づき速やかに国に報告する義務がある。
  • 立入検査 [第107条]
    • 保安上必要があると認めるとき、国の職員が工場や事業所に立ち入り
      設備や書類を検査することができる。
  • 技術基準適合命令、保安規程改善命令 [第40条、第42条]
    • 設備が技術基準に適合していないとき(第40条)や
      保安規程が不適切で安全が確保できないと判断されたとき(第42条)に
      国が設置者に対して「直しなさい」と強制的な命令を下す権限。

関連する法規制

電気工作物の安全を確保するためには、電気事業法(これまで述べた条文)だけでなく
その他の「電気3法」や関連法規が相互に連携している。
電気保安体系図では点線で結ばれ、以下の3つが挙げられている。

  • 電気工事士法:有資格者による工事義務
    一般用電気工作物や自家用電気工作物(最大電力500kW未満)の電気工事
    欠陥による災害を防ぐため、原則として「電気工事士」などの資格を持った人でなければ
    作業してはならないと定めている。
  • 電気工事業法(電気工事業者による規律の適正化に関する法律):電気工事業者の登録、届出、通知義務
    電気工事を業として営む事業者に対し、登録や届出を義務付け、営業所に主任電気工事士を置くことや
    計測器(テスター等)の備え付けを義務付けている。
  • 電気用品安全法:適用機械器具、材料の使用義務
    一般の家庭やオフィス等で使われる電気製品(電気用品)の安全性を確保する法律。
    粗悪な製品が市場に出回らないよう、製造・輸入事業者に安全基準を満たすこと(PSEマークの表示)を
    義務付けており、電気工作物を設置する側もこれらの適合品を使用する義務がある。

参考資料

https://www.safety-kanto.meti.go.jp/electric/e_seminar2025.html
経済産業省関東東北産業保安監督部 令和7年度電気主任技術者セミナー実施概要 より引用

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