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自電源方式と他電源方式の違いとメリット・デメリットまとめ

目次

継電器試験を実施する際の試験方法

年次点検で継電器試験を実施する際の試験方法として自電源方式と、他電源方式が存在する。
どちらが「正しい」、「この試験方法でなければ」などは無く、状況に応じて方式を切り替えることが望ましい。

試験方式の判断条件
●試験場所
→屋外or地上or電気室など
●試験条件
→天候や温湿度など
●停電時間
→過去の年次点検よりも長いか短いか、他の優先すべき作業があるのか
●作業人数
→適正人数が多いか少ないか

自電源方式

電源を必要とする継電器や継電器試験器電源を、年次点検を実施する設備(電灯変圧器2 次側100V)から供給して試験を行う方式。
停電前や復電後に実施する

メリット
●重量物である発電機やポータブル電源が不要

●トリップコードの接続が不要
→限時動作時間の測定は試験によって継電器から送られる信号が遮断器が動作し、下流から供給している試験器の電源を止めるためトリップコードは必要としない

●準備時間の短縮が可能

デメリット
●試験時に、電灯変圧器が充電されるので危険
●試験端子の変流器側を短絡する手間が発生する
●試験中、何度も充電(突入電流の発生)させるため、設備に負担がかかる可能性が大きい

他電源方式

電源を必要とする継電器及び継電器試験器の電源を、試験を行う設備以外(発電機、ポータブル電源、工事用電源等)から供給して試験を行う方式

メリット
●点検設備全体が停電している状態で試験を行うため安全

●ほかの作業と同時並行で実施可能、単体試験も安全に実施できる。

●変流器二次側の短絡が不要

デメリット
●発電機やポータブル電源の準備が必要

●トリップコードを使う必要があるため、取り外し忘れによる事故の可能性がある

●必要機材が多くなるため準備に時間がかかり労力が大きい

自電源方式と他電源方式それぞれの注意事項

自電源方式  


●試験電源に使用する設備以外はすべて開放する。(必ず受電用遮断器を開放してから実施)
→動力変圧器や、コンデンサに対応するLBSやPCを開放する。

●OCR 試験の際、電流計の短絡及び変流器側を確実に短絡する。

●他作業と同時並行しないこと
→感電防止

他電源方式 

●電圧を印加する必要がある継電器試験の際、逆昇圧の防止処置を確実に実施する。
→VTヒューズの取り外しや線番の確認

自電源、他電源共通事項


●基本手順を順守し、安全用具を確実に着用する。

●試験器の本体アースを確実に取り付ける。



●作業責任者及び作業者全員で試験方法について十分な打ち合わせの実施
→KY作業の実施

参考文献

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://soukou.co.jp/pdf/0004.pdf?20250106110855
多機能型試験装置 OCR-25CVK 取扱説明書[第10版]より画像引用

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