MENU

高圧受電設備における遠隔監視装置(絶縁監視装置)設置による点検頻度の緩和についての備忘録

「平成15年経済産業省告示第249号」は
電気管理技術者や電気保安法人にとっての非常に重要な告示であり
特に第4条第8号イは、「スマート保安」による点検頻度の延伸(隔月点検や3ヶ月に1回への緩和)の
根拠となる条項となる。

目次

平成15年経済産業省告示第249号告示について

要点

「遠隔監視装置を付けるなら、毎月行っている点検を2ヶ月(または3ヶ月)に1回に減らしても構わない」
というルールを定めたもの。
※条件あり

本来、高圧受電設備などの月次点検は「毎月」が原則だが
技術の進歩に合わせて「機械が24時間見張ってくれるなら、点検頻度を緩和しても安全
という考え方に基づいている。

第4条第8号「イ」の具体的な要件

第4条第8号イが適用されるのは、主に以下の条件を満たす設備。

  • 公衆の利便に供する場所に設置されるもの: 道路、公園、広場など。
  • 特定の電気工作物: 街路灯、信号機、EV充電スタンド、無線基地局などを備えた多機能ポール(スマートポール)などが該当する。

第8号は「点検頻度の延伸」について定めており、その中の「イ」は以下の条件を規定している。

【要件:絶縁監視装置の設置】

受変電設備に絶縁監視装置(漏電を検知する装置)を設置し
以下の機能を有していることが求められる。

  • 常時監視: 漏電(漏れ電流)などの異常を常にチェックしていること。
  • 即時通報: 異常を検知した際、電気管理技術者(あなた)のスマホやPC、あるいは監視センターに直ちに通知が飛ぶ仕組みであること。
  • 漏れ電流のしきい値: 一般的には、低圧回路で 50mA程度(受電設備や回路の状況による)の漏れ電流を検知できる設定になっている必要がある。

適用するための主な要件

この告示の第4条第8号イを適用して点検頻度を緩和(年1回化)するには
以下の仕組みが備わっていることが前提となる。

  • 常時監視機能
    絶縁状態(漏電)などを遠隔で常時監視し
    異常が発生した際に即座に技術者が把握できるシステムを有していること。
  • 自動遮断機構
    故障や異常が発生した際、公衆への危害を防止するために自動的に電気を遮断する機能があること。
  • 保守管理体制
    異常検知時に速やかに現場へ駆けつけ、対応できる体制が整備されていること。

外部委託の場合の絶縁監視装置対応方法

電気主任技術者等は、設置者が自家用電気工作物の状態を監視する装置(状態監視装置)を用いる場合
設置者に対し設置の適否及び運用方法等について適切な指示又は助言を行う必要がある。

また状態監視として低圧電路の漏えい電流から絶縁状態を監視する「低圧絶縁監視装置」を設置する場合
電気主任技術者等は次の各号により確認、点検及び対応を行うこと。

① 装置の性能の確認

② 設置後の装置の点検

③ 警報発生時の対応

上記③の対応は、次の各号によること。

① 警報が発生した場合、電気主任技術者は
当該電気工作物の点検を行うとともに技術基準への適合状況を確認する。

② 外部委託の場合は、次による。

警報動作電流(設定の上限値は 50mA とする。)以上の漏えい電流が 5分間を超えて継続している
旨の警報を受信した場合は、警報発生原因を調査し適切な措置を行う。

また継続時間が5分に満たない警報動作電流以上の漏えい電流が
繰り返し発生している旨の警報を受信した場合の対応は、上記記載に準じて行う。

※絶縁監視装置の通報記録及び点検の記録は、3年間保存すること。

電気技術規程 需要設備編 2023年 自家用電気工作物保安規程 jEAC 8021-2023 p114[230-4 状態監視]より引用

実務上のメリットと注意点

項目延伸前の頻度延伸後の頻度 (第8号イ適用)
月次点検毎月 (1ヶ月に1回)2ヶ月に1回 (または要件により3ヶ月に1回)

注意点

  1. 「ロ」の要件もセット
    実はこの「イ(絶縁監視)」だけでなく、続く「ロ」などの要件(換気状態や浸水の有無を確認できること
    またはそれらをカバーする点検体制など)も総合的に判断される。
  2. 事故時の責任
    点検回数を減らした分、遠隔監視装置の信頼性が重要になる。
    装置が故障していて通知が来ず、その間に事故が起きた場合は
    管理技術者の責任が問われる可能性がある。
  3. 設置後の届出
    実際に点検頻度を変更する場合は、産業保安監督部に届け出ている「保安規定」の変更が必要になる。

まとめ

第4条第8号イは、「技術者が現場に行かない間、機械がしっかり絶縁を見張っていること」を
担保するためのルールとなる。

これによって移動時間を減らし、より多くの現場を効率的に管理できるようになるが
その分「通知が来た時にいかに早く現場に駆けつけられるか」という緊急時対応の体制がセットで重要視される。

参考資料

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/tenkenhindokokuji.pdf
「平成十五年経済産業省告示第二百四十九号(電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロ
 の要件等に関する告示)」より引用

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次