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ハイボルトテスタに記載されているリップルについての備忘録

目次

ハイボルトテスタ(高メガ)についての概略

一般的な絶縁抵抗計(メガ)は定格電圧が最高でも 1000V が
高圧受電設備(6.6kV回路など)の点検では
運用電圧に対して十分な電圧を印加して絶縁の健全性を確認する必要がある。

ハイボルトテスタは、直流(DC)で数kVから、機種によっては数十

「リップル(Ripple)」についての概略

リップルとは、交流(AC)を直流(DC)に変換(整流)した際に
直流波形の中にわずかに残ってしまう「交流のブブブという波(脈流、さざ波)」のこと。

ハイボルトテスタは、バッテリー(DC12V)やコンセント(AC100V)の電気を内部回路で
数kVの超高圧の直流にして出力している。
理想的な直流は一本の真っ直ぐな直線(平滑な波形)だが
実際には非常に細かい電圧の変動(揺らぎ)が乗ってしまう。
→リップル

「出力電圧値の±1%以内」が意味すること

仕様書にある上記一文は
「出力している直流高電圧の品質(綺麗さ)の保証」を意味している。

具体例

実務でよく使う電圧を例に挙げると
実際の出力電圧は以下の範囲で非常に高いレベルで安定している(=リップルが極めて小さい)ことを示す。

設定電圧許容されるリップル幅(±1%)実際の電圧の揺らぎの範囲
-6,000 V (6kV)±60 V 以内-5,940 V ~ -6,060 V の間で微小に振動
-10,000 V (10kV)±100 V 以内-9,900 V ~ -10,100 V の間で微小に振動

カッコ内の「-1~-11kV」は、このリップル率(±1%以内)を
保証できる出力電圧の有効範囲を示している。

高メガにおいてリップルの小ささが重要な理由

高圧ケーブルの直線漏れ電流試験などで、リップルが大きく電圧がブれてしまうと
現場での測定データがガタガタになり、正しい劣化診断ができなくなるため。

微小な電流をかき消してしまう「充電電流」の発生

コンデンサに加わる電圧(V)が時間(t)とともに変化すると
以下の式で表される充電電流(i)が流れてしまう。

もしハイボルトテスタの出力電圧に大きなリップル(電圧の周期的な変化 dV/dt)があると
ケーブルの静電容量(C)を通じて、測定回路に不要な交流的な充電電流(ノイズ)が常に流れ続けること
になる。

高圧ケーブルの劣化診断(水トリーの検出など)では
数μA(マイクロアンペア)や、時には0.1μA単位の極めて微小な「直流の漏れ電流」を
シビアに読み取る必要がある。

リップルが大きい(=電圧が小刻みに揺れる)機器を使うと
この微小な漏れ電流がリップル起因のノイズ電流にかき消されてしまい
電流計の針が激しく振れて安定せず、正確な数値を測定できなくなってしまう。

まとめ

ハイボルトテスタの「リップル±1%以内」という仕様は
「高圧ケーブルのような静電容量が大きい供試体を測定しても、電圧の揺らぎによるノイズ電流を極限まで抑え、μA単位の微小な漏れ電流をピタッと安定して測定できる、非常に優れた平滑性能(クリーンな直流発生能力)を持っている」という証になる。
そのため、現場での信頼性の高い絶縁診断が可能になっている。

参考資料

https://soukou.co.jp/pdf/HVT-11K.pdf
ハイボルトテスタ HVT-11K 取扱説明書 [第4版] より引用

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