MENU

高圧と特別高圧の接近限界距離についての備忘録

目次

高圧と特別高圧の概略

電圧の種別は、電気事業法に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令第2条
及び労働安全衛生規則第36条に規定され、下表となる。

種別直流交流
低圧750V 以下600V 以下
高圧750V を超え
7,000V 以下
600V を超え
7,000V 以下
特別高圧7,000V を超えるもの

高圧は、電力会社の配電線、専用敷地内の電気鉄道、大工場等の電動機用の屋内配線等に使用される電圧のこと。
直流については、特に問題がないことから交流と同じ電圧(7,000V)に定められる。
特別高圧は主としては電力会社の発電所や変電所、送電線路等で、産業用では大規模工場等で使用される電圧のこと。

高圧以上の電気の接近と閃絡

高圧以上の電圧では、充電部に直接接触しなくても
充電部のある限界以内に人体が近づくと閃絡が起き、感電する可能性
がある。

閃絡(フラッシュオーバー)のメカニズム

通常、空気は電気を通さない「絶縁体」として機能しているが
空気にも耐えられる電圧の限界(絶縁耐力)が存在する。

電圧が非常に高くなると、空気中の分子が電離し、電気が通る道が作られてしまう。
→「空気の絶縁破壊」の発生。

絶縁が破壊されると、離れた場所にある充電部から人体や物体に向かって一気に電気が飛び移る。

閃絡が起きるかどうかは、電圧の大きさと距離の関係で決まる。

まとめ

  • 閃絡距離
    「火花が飛んでしまう距離」のこと。
  • 電圧との関係
    電圧が高ければ高いほど、空気の壁を突き破る力が強くなるため、閃絡距離は長くなる。

接近限界距離

安衛則第341条では、高圧充電電路の作業で感電の危険がある場所における作業時には
絶縁用保護具の着用や絶縁用防具の装着などについて定められている。
また、安衛則第344条では、特別高圧の充電部における作業で感電の危険がある場合には
「活線作業用器具又は活線作業用装置を使用」し、下表の「接近限界距離」を
保たせなければならないことが定められている。
※「接近限界距離」とは、労働者の身体または工具や材料などの導電体と充電電路との最短直線距離のこと

充電電路の使用電圧 (kV)充電電路に対する接近限界距離 (cm)
22 以下20
22 を超え 33 以下30
33 を超え 66 以下50
66 を超え 77 以下60
77 を超え 110 以下90
110 を超え 154 以下120
154 を超え 187 以下140
187 を超え 220 以下160
220 を超える場合200

表:充電電路に対する接近限界距離(安全衛生規則第344条)

参考資料

労働安全規則
第三百四十一条 事業者は、高圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取り扱う作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

 労働者に絶縁用保護具を着用させ、かつ、当該充電電路のうち労働者が現に取り扱っている部分以外の部分が、接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるものに絶縁用防具を装着すること。  労働者に活線作業用器具を使用させること。  労働者に活線作業用装置を使用させること。この場合には、労働者が現に取り扱っている充電電路と電位を異にする物に、労働者の身体又は労働者が現に取り扱っている金属製の工具、材料等の導電体(以下「身体等」という。)が接触し、又は接近することによる感電の危険を生じさせてはならない。

第三百四十四条 事業者は、特別高圧の充電電路又はその支持がいしの点検、修理、清掃等の電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

 労働者に活線作業用器具を使用させること。この場合には、身体等について、次の表の上欄に掲げる充電電路の使用電圧に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる充電電路に対する接近限界距離を保たせなければならない。

表略

 労働者に活線作業用装置を使用させること。この場合には、労働者が現に取り扱っている充電電路若しくはその支持がいしと電位を異にする物に身体等が接触し、又は接近することによる感電の危険を生じさせてはならない。

 労働者は、前項の作業において、活線作業用器具又は活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、これを使用しなければならない。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次