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責任分界点についての基礎知識まとめ

責任分界点とは、電力会社と需要家(電気を使用する人)の間で、電気設備の保安責任の範囲を区分する点を指す。

目次

責任分界点の意味

  • 電力会社と需要家の間で、電気設備の維持管理や保安責任を分ける境界となる点。
  • この点を境に、電力会社と需要家のどちらが設備の保守・管理を行うかが明確になる。

保守や点検などの維持管理は誰が行うのか、あるいは機器や配管・配線に事故が発生した場合の責任は誰が負うのかなどを、インフラの供給者側と利用者側であらかじめ明確に決めておかないと
故障時の対応が難しくなる。

責任分界点の役割

  • 電気設備の保安責任の所在を明確にし、事故発生時の対応を迅速に行うために重要。
  • 設備の維持管理に関する費用負担の区分を明確にする。
  • 電気の安定供給を維持するために、両者の責任範囲を明確にすることが必要。

責任分界点の位置

  • 責任分界点の位置は、受電方式や契約内容によって異なる。
  • 一般的には、以下のような場所に設置される。
    • 高圧受電の場合:需要家構内に設置された受電設備の引込口
    • 低圧受電の場合:電力会社の引込線と需要家の引込口配線の接続点
      ※電力メーターは、設置個所に関わらず電力会社の設備。

一般送配電事業者の責任範囲のことは財産分界点とよばれる

責任分界点の区分例

架空配電線路からの引込み

下記図のように架空配電線路から分岐して架空で引込む。
最も一般的な引込み方式であり、自家用高圧受電設備では原則としてこの引込み方式が採用される。

① 架空配電線路から引込む場合の責任分界点

架空配電線路から地中ケーブルで引込む場合は下記図のようになる。
通常は、架空配電線路からは架空引込みを採用するのが一般的だが
法令上架空引込線が認められない場合や地域的な事情により
架空引込みが不適当な場合は地中引込みになる。

② 架空配電線路から引込む場合

架空配電線路から絶縁電線を用いて引込む場合下記図のようになる。
絶縁電線の代わりに架空ケーブルを使用する場合もある。

新電気2019.06 現場の疑問解決塾 責任分界点ってなに? より引用

地中配電線路からの引込み

都市部などの配電線地中化地域では、地中電線路から分岐して
下記図のように地中ケーブルで引込む方式が採用される。

地中配電線路

地中配電線路から地中ケーブルを用いて引き込む場合は下記図のようになる。

新電気2019.06 現場の疑問解決塾 責任分界点ってなに? より引用

単線結線図による責任分界点の違い

出迎え受電

●責任分界点は関電ASの2次側

PAS受電

●責任分界点はPAS1次側

責任分界点に関する注意点

  • 責任分界点の位置や責任範囲については、電力会社との契約書や仕様書で確認することが重要。
  • 責任分界点以降の設備は、需要家が責任を持って維持管理を行う必要がある。
  • 責任分界点から、需要家側の設備で事故が発生した場合、需要家側の責任になる。
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