実務において、万が一の事故が発生した際
「何を」「いつまでに」「どこへ」報告すべきかを
正確に把握しておくことは、電気主任技術者にとって非常に重要となる。
目次
電気事故報告制度の目的と基本ルール

事故報告が必要なのか?
電気事故報告制度には
主に以下の目的がある。
- 事故報告の内容分析により、類似事故の再発防止のために適確な手段を施すため。
- 電気工作物の安全性の確保、信頼性の向上を図るための施策の基礎となる。
- 事故報告によって電気工作物の施設状況、保守状況、給電サービスの状況ならびに
これらに対する一般社会との関係が解明され、保安法規のあり方、保安行政の実行について
再検討する有力な資料となる。
報告の期限と提出先
いざ事故が起きた場合、対応は時間との勝負になる。
電気関係報告規則第3条及び第3条の2に掲げる電気事故が発生した場合
以下の期限が定められている。
- 速報:事故を覚知してから24時間以内に報告する必要がある。
- 詳報:その後、事故を覚知してから30日以内に詳報を提出する必要がある。
報告先は、事故が発生した地域を管轄する各地域の産業保安監督部
例)近畿支部の管轄地域で発生した場合は、同支部 電力安全課へ報告する
※速報の連絡手段としては
1.詳報作成支援システムの利用
2.電子メール
3.FAX
4.電話
の優先順となる。
どんな事故が報告対象になるのか?

一般的な電気事故の報告対象(規則第3条第1項)
報告対象となる主な事故には
以下のようなものがある。
- 感電死傷事故
感電等により人が死傷した事故だが
死亡または病院もしくは診療所に入院した場合に限られる。 - 電気火災事故
電気火災事故のうち、工作物にあってはその半焼以上の場合に限られる。 - 物損等事故
他の物件に損傷を与えたり、機能の全部または一部を損なわせた事故
(例:太陽電池モジュールや架台などの構外への飛散)。 - 破損事故
主要電気工作物の破損事故
(ただし、部品の交換等により当該設備の機能を容易に回復できる場合を除く)。
これには、出力50キロワット以上の太陽電池発電所、容量が20キロワットアワーを超える蓄電所
電圧1万ボルト以上の需要設備などが含まれる。 - 波及事故
電圧三千ボルト以上の自家用電気工作物の破損や誤操作等により
一般送配電事業者等に供給支障を発生させた事故。 - 社会的影響が大きい事故
上記以外の事故であって
電気工作物に係る社会的に影響を及ぼした事故も報告対象となる。
小規模事業用電気工作物の特例(規則第3条の2第1項)

近年、再生可能エネルギー設備の普及に伴い
小規模事業用電気工作物についても報告の対象として規定されています。対象となる設備は以下の通り。
- 10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備。
- 20kW未満の風力発電設備。
これらの設備においても、感電(死亡もしくは入院した場合)、電気火災(設備が原因の火災)
他者への損害(パネル飛散や土砂流出など)
設備の破損(風車タワーの倒壊やパワーコンディショナーの焼損などにより運転が停止する事故)が
発生した場合には報告が必要です。
参考資料
- 電気関係報告規則(第3条、第3条の2) [e-Gov法令検索]
- 「電気関係報告規則第3条及び第3条の2の運用について(内規)」(経済産業省)
- 各地域 産業保安監督部ウェブサイト(電気事故報告関連ページ)
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 詳報作成支援システム
- 経済産業省 中部近畿産業保安監督部近畿支部令和8年度電気使用安全月間セミナー

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