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高圧ケーブルの劣化要因についての備忘録

目次

高圧ケーブルの概略

高圧受電設備(キュービクルなど)で使用される高圧ケーブルは
電力会社から引き込む6,600Vの高圧電力を構内設備へ安全に送電するための電線

低圧電線とは異なり
高い電圧による電界集中や絶縁破壊を防ぐ多層構造を備えている。

ケーブル劣化の6大要因

大分類主な要因・現象具体例
電気的要因異常電圧、部分放電、トラッキング外雷や開閉サージの侵入、塩分汚損による表面トラッキング、外傷や屈曲による部分放電
熱的要因過負荷、高温、過電流、局部過熱短絡による過電流、端子部の接触不良による局部過熱
環境的要因水の浸入、硫化物の浸入、汚損水トリー、化学トリー、腐食性ガス、塩分やじんあい
機械的要因外傷、変形、疲労、振動、溶損布設時の物理的なダメージ、長期間の微振動による疲労
動物的要因食害、孔食ネズミや白アリによるケーブル外装の齧り(かじり)
その他施工不良端末部破壊、接触不良、防水不備接地線の断線、ストレスコーン部の不備、端子部の防水処理不備

これらの要因が単独、あるいは複合的に絡み合うことで
絶縁性能が低下し「劣化」へと至る。

代表的なケーブル劣化要因の説明

水トリー

左図:シースの地絡痕 右図:絶縁体の水トリー

CVケーブルの劣化様相では,特に水トリー劣化が問題であり
内部半導電層がテープ巻き構造のものにあっては
ケーブル故障原因の多くを占めている。

水トリーとは,CVケーブルの中に水が浸入し
電界下で電極不整部分からトリー(樹枝状)を形成する現象のこと。
水トリーは,その発生起点によって三つに分類して呼ばれている。
① 内導トリー:ケーブルの内部半導電層から発生するもの
② 外導トリー:ケーブルの外部半導電層から発生するもの
③ ボータイトリー:絶縁体中の異物やボイドから発生するもの
以上,水トリーのうち,これまで主として故障の原因となっているのは内導トリーが多い。

化学トリー

化学トリーは、硫化物を含む工場廃液や地下水により汚損された土砂中に埋設されているケーブルや
あるいは特殊な硫化物の影響を受けやすい環境にあるケーブルのシースおよび絶縁体を
透過してきた硫化物が銅導体と反応して、硫化銅を生成,絶縁体中に析出成長するもの。
化学トリーは,導体側から黒色の樹枝状物質が絶縁体中に伸展し,最終的には絶縁破壊に至る。

参考資料

一般社団法人 日本電線工業会(JCMA)
技術資料 第116号「高圧CVケーブルの保守・点検指針」

技術資料 第107号「電線・ケーブルの耐用年数について」

電気学会(IEEJ)

電気学会技術報告「電力用CVケーブルの劣化診断技術」

経済産業省 産業保安監督部 / 各種電気保安協会
「自家用電気工作物 高圧ケーブルの水トリー現象に係る注意喚起」等の技術・事故事例資料

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