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IorとIgrの違いについて

目次

結論

Ior検出方式とは、ZCT により検出した電流(Io)の他に電路電圧を検出し、その電圧をもとに演算により容量分に流れる電流(無効分:Ioc)を除去して、絶縁抵抗により流れる電流(有効分:Ior)のみを分離検出する方式のこと。

Ior方式では有電圧線の対地電圧が電源となって漏洩電流となるので、
対地電圧の少ない中性線の絶縁不良は検知できない。

Igr方式は,電路周波数と異なる低周波の基準電圧信号をトランスの二次直接接地線に
変成器により重畳し、その基準電圧信号をもとに、ZCTで検出した基準電圧信号の電流分(Ig)から
容量分に流れる電流(無効分:Igc)を演算により分離し、電路大地間の絶縁抵抗に流れる電流(有効分:Igr)を検出する方式のこと。

        ↑Iocは中性線を基準電圧(0V)にしている為、それ自体の絶縁不良は測定できない。

Igr(アイジーアール)は、商用周波数と異なる周波数(低周波)の信号をB種接地線に流して、それが変圧器を伝い負荷から漏洩電流として循環して戻ってくる量を計測しているため、絶縁良好であれば漏電経路がないので信号の漏洩電流は計測されないため、絶縁不良であれば漏電経路を伝い帰還する信号の電流を計測できる。 信号の周波数も商用周波数より低い値を使用するので、対地静電容量から漏れ出る値は大きくない。 Igr方式では対地電圧が発生しない中性線の絶縁不良も信号が循環するので、これも計測できるため、Igr方式の方が洩電流の検知精度が高いと言える。

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.hikari-gr.co.jp/dcms_media/other/LIG-1.pdf

光商工 絶縁状態監視システム 取り扱い説明書より引用

測定結果のIor、Igrともに抵抗分の漏洩電流のため、これが絶縁抵抗による漏洩電流を表しており、ほぼ実測の絶縁性能を計測している事になる

MUSASHIの取説によるIorとIgrの違いの説明(補足)

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/http://www.musashi-in.co.jp/manual/gct-34.18.pdf

MUSASHI GCT-34 取り扱い説明書より引用

Iocについて

Iocとは、主に高調波によって増大する漏洩電流で、商用電源が交流であるために発生する

静電容量に流れる電流の公式
Ic = V / Xc = 2πfCV

公式より、周波数が高くなると電流が増加する。 近年はインバーター機器の増加でIocが増加している。
これが漏電誤検知の原因となるため、IorかIgrとして漏電検出が必要である。

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