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高調波の発生要因と抑制方法のまとめ

目次

高調波の基礎知識

高調波とは  

通常、電力会社の発電所で発生した電圧はきれいな正弦波電圧となっている。
(同期発電機を用いて発電しているため)
しかし、使用している需要家に届くまでに、正弦波は歪んだ状態となっていることがほとんどである。

原因として、パソコンなどの電子機器、エアコンなどのインバータ搭載機器などから高調波が発生していることが考えられる。

これらの機器は、半導体応用機器であり、交流で送られてきた電気を半導体の特性を利用していったん直流に変換しており、その変換の際に高調波電流が発生する。(=整流回路)

電源を変電所、整流器以降を需要家をと考えるとその間の電線は送電配線であり、
抵抗成分やインダクタンス成分を有している。
その送配電線に高調波を含む電流が流れると歪んだ波形の電圧降下が生じるため、送配電線中の任意の場所における電圧波形も歪んでしまうことになる。

高調波により引き起こされる問題

交流で駆動する機器類は歪んでいないきれいな波形の正弦波電圧を想定して設計されているため、歪んだ電圧が入力されていると、正常な動作をしなくなったり、誤作動を引き起こしたりする可能性がある。

高調波はできる限り発生させないように配慮する必要がある。

高調波抑制の考えかた

直列リアクトル付き進相コンデンサの設置が最も手軽な対策方法である。
(半導体応用機器を使うと理論上高調波が発生してしまう)

設置するメリット

進相コンデンサにリアクトルを直列に接続すると、ある特定の周波数において直列共振が起こり
短絡しているのと同じように扱うことことができる。

したがって、基本波の周波数では共振せずに、高調波の原因となる次数の周波数だけを共振するようにしておけば、
高調波発生機器から出た高調波は系統側に流出せず、直列リアクトル付き進相コンデンサに流れるようになり、高調波の流出を防ぐことができる。

直列リアクトルの6%と13%の違い

第5高調波を抑制したいとき→進相コンデンサ容量の6%

基本波におけるコンデンサリアクタンスをXC、リアクトルリアクタンスをXLとすると
第5高調波においては周波数が5倍になるため、
5XL=Xc/5 で等しくなる時に共振する
よってXL=Xc/25=0.04Xc となることがわかる。
周波数の変動を考慮して、多くのリアクトルは余裕をもって6%の値を採用しているものが多い。

第3高調波を抑制したいとき→進相コンデンサ容量の13%

本波におけるコンデンサリアクタンスをXC、リアクトルリアクタンスをXLとすると
第3高調波においては周波数が3倍になるため、
3XL=Xc/3 で等しくなる時に共振する
よってXL=Xc/9≒0.11Xc となることがわかる。
周波数の変動を考慮して、多くのリアクトルは余裕をもって13%の値を採用しているものが多い。

三菱電機 KL-8形 6600V L=6% 特長 より画像引用


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