「避雷針」と「避雷器」。名前は似ているが
「何から何を守るのか」という役割が異なる。
→避雷針は「建物」を直撃から守るもの
避雷器は「家電や精密機器」を異常電圧から守るもの。
避雷針についての役割

直撃雷の被害を防ぐための設備が避雷針。
建物の屋根や屋上に細長い棒状の金属を受雷部として設置し
そこから建物外部を通って地面へと導線が続く。
避雷針は、落雷の前に発生する先駆放電を感知するとそれに呼応する迎え放電を出して落雷を誘導して受け止め
直撃雷の電気を安全に地面に逃がす役割をもつ。
建築基準法に基づき、高さ20m以上の建造物には避雷針の設置義務がある。
まとめ
- 守る対象: 建物そのもの、および火災や損壊の防止。
- 仕組み: 雷を「避ける」のではなく、むしろ自分に呼び寄せて、安全に地面へと電流を逃がす道を作る。
- 役割: もし避雷針がないと、雷は屋根や壁を突き破り、火災を起こしたり建物を破壊したりする。
避雷器についての役割

雷による被害は直撃雷だけではなく、直撃雷や雷雲間の放電によって
電磁誘導された過電流や過電圧が付近の電力線や通信線
テレビのアンテナなどを通して建物内に侵入する「誘導雷」が発生することがある。
また、直撃雷によって付近の大地の電位が上昇し
過電圧や過電流がアースから逆流して電力線や通信線に侵入する「逆流雷」が起こることもある。
誘導雷や逆流雷は、電力線や通信線を通じて電気設備や機器を破損することがある。
そこで、電気設備や機器を雷の被害から守るために取り付けるのが避雷器となる。
避雷器は保護対象機器の電源または通信回線引き込み部に接続し
雷の過電圧を対象機器の耐電圧以下に抑制し、雷の過電流をアースへ逃がす働きをする。
高圧用、低圧用など、対象機器によってさまざまなものがある。
まとめ
- 守る対象: パソコン、テレビ、エアコン、通信設備などの精密機器。
- 仕組み: 近くに雷が落ちたとき、電線などを伝ってやってくる異常な高電圧(雷サージ)を検知し
瞬時に地面へ逃がす。 - 役割: コンセントを通じて入ってくる過剰なエネルギーをブロックし、中の基板が焼き切れるのを防ぐ。
避雷針 と 避雷器 比較まとめ
| 特徴 | 避雷針 (Lightning Rod) | 避雷器 (Arrester / SPD) |
| 主な目的 | 建物の保護(火災・破損防止) | 電気機器の保護(故障防止) |
| 対象とする雷 | 直撃雷(直接落ちてくる雷) | 誘導雷(電線を伝ってくる雷) |
| 設置場所 | 屋上、建物の高いところ | 分電盤、コンセント、通信回線 |
| イメージ | 雷の「通り道」を作る | 雷の「侵入」を食い止める |
結論

結論から「両方あって初めて完璧」となる。
たとえ避雷針が建物を守ってくれても、その衝撃で付近の電線に猛烈な電圧(雷サージ)が発生する。
それが家の中に流れ込むと、避雷針だけでは防げず、中のパソコンや冷蔵庫が壊れる可能性がある。
逆に、避雷器だけをコンセントに付けていても、家に雷が直撃してしまえば建物ごとダメージを受ける可能性がある。
参考資料
電気と保安2025年初夏号「プロが解決!現場のギモン 避雷針と避雷器の違いは?〜雷害の種類の応じた避雷設備を〜」より引用

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