高圧断路器についての概略
高圧断路器は、DS(Disconnecting Switch)やディスコンと呼ばれ
負荷電流が流れていない、単に充電されている回路を開閉するための装置。
点検や工事などのときに、回路を確実に切り離して安全に作業するためのもの。
アークを消弧させる機能がなく、負荷電流が流れている状態で断路器を開くと
短絡などの大事故となるので停電状態を確認して完全放電を行ってから解放を行うこと。
通常は遮断器と組み合わせて使用される。
断路器の定格例
| 項目 | 内容 |
| 定格電圧 (kV) | 7.2 |
| 定格電流 (A) | 200 / 400 / 600 / 600 / 1200 |
| 定格短時間耐電流 (kA/s) | 8.0/1、12.5/1 (左側グループ) 20/2 (右側グループ) |
| 構造 | 単極単投、三極単投 |
| 準拠規格 | JIS C 4606 / JEC 2310 |
断路器の定格電流は、余裕をみて最大負荷電流の1.5〜2倍程度のものを選定する。
また、遮断器とのインターロックなども考慮し、誤操作による事故を防ぐように計画すること。
定格短時間耐電流は、上位に設置されている遮断器が動作し
事故電流が遮断されるまでの間、耐える性能がなければいけない。
規定時間は、JISでは1秒、JECでは2秒とされている。
断路器の操作器具

断路器は操作用フック棒がないと操作できないので、フック棒を盤内に収容する。
断路器の主な役割

断路器の最大の目的は
「目視で」電路が切れていることを確認させ、作業者の安全を確保することとなっている。
絶縁の確保
機器の点検や修理の際、電路を物理的に切り離して
誤通電や感電を防ぐ。
回路の切り替え
変電所などで送電ルートを変更する際に使用する。
断路器の主な種類
単極単投形フック棒操作方式


左図:単極単投形フック棒操作方式(キュービクル) 右図:単極単投形フック棒操作方式(電気室)
単極の断路器で、最も多く使用されている。
三相回路の場合は3台使用する。
上左図はキュービクルに設置、上右図は電気室に設置したもの。
単極単投形フック棒操作方式は操作用フック棒で、単極ごとに操作する。
三極単投形フック棒操作方式

上左図のように、単極断路器3台を共通ベースに取り付け
操作機構を三極共通の連結ロッドで接続したもの。
単極単投形断路器と同様に操作用フック棒で操作するが
ブレードではなく、操作レバーのフック穴にフックを掛けて三極同時に開閉する。
三極単投形遠方手動操作方式


上左図は、三極単投形遠方操作方式の断路器。
上右図のように、三極単投形フック棒操作方式断路器の操作機構
遠方操作用の連結ロッドで接続したもの。
手動ハンドルを操作すると、リンク機構により三極同時に開閉できる。
このタイプの断路器は、遮断器が投入状態では断路器を開放できないように
また断路器を操作中は遮断器を投入できないように、インターロックを設けるのが一般的。
遮断器(ブレーカー)との違い

| 特徴 | 断路器 (DS) | 遮断器 (CB) |
| 主な役割 | 電路の分離・絶縁(安全確保) | 電流の遮断(事故防止・負荷開閉) |
| 電流の遮断 | できない(アークを消す能力がない) | できる(アークを消す装置がある) |
| 操作の条件 | 無負荷(電流ゼロ)の状態のみ | 負荷がかかっている状態や事故時もOK |
| 見た目 | 刃(ブレード)の開閉が外から見える | 内部で接点が動くため、外からは見えにくい |
電流が流れている状態で断路器を開放すると、接点間に強力な「アーク放電(火花)」が発生し
機器の破壊や作業者の大怪我(焼損)につながる。
必ず先に遮断器で電流を止めてから検電を行い無充電であることを確認にしてから操作すること。
断路器の仕組みと構造

ブレード
回路の開閉を行う主導電部。閉路時には、接触子と接触し回路がつながる。
接続時の接触圧力を保持するため、圧縮ばねが付いている。
支持がいし
導電部の支持及び絶縁を行うもの。
通常は、エポキシ樹脂製。
接触子
ブレードを受ける部分。
フック穴
ブレードにあけた穴。
回路を開閉するときにフック棒を引っ掛けるところ。
ラッチ
短絡電流のような大電流による電磁力、あるいは振動などにより
断路器が開放するのを防ぐもの。
ラッチ機構付きの断路器は、ブレードのフック穴にフックを入れて引くことにより
ラッチ機構が外れ、ブレードが回転して断路できるようになっている。
断路器の操作方法
開放操作
① 遮断器が切れていることを確認する。
② フック棒のフック部分を断路器のフック穴に引っ掛け、ラッチが外れるのを確認する。
③ ブレードが接触子とわずかに離れた状態でいったん止める。
④ 無電流(アークが出ない)を確認してから全開する。(2段切り)
投入操作
① 遮断器が切れていることを確認する。
② フック棒のフック部分を断路器のフック穴に引っ掛ける。
③ フック棒を前に押して、ブレードを接触子に投入。
④ ラッチが掛かっていることを確認。
断路器の保守点検

接触部の接触状態
ブレードを接触子の手前まで移動させ、ブレードと接触子の中心が一致しているか確認する。
ずれている場合は接触不良になるので、修理又は交換が必要。
ラッチ
短絡電流によりブレードが飛び出し大事故になる場合があるので
フック棒でラッチの掛かり具合を確認する。
開閉操作
開閉操作がスムーズかどうか確認する。
ブレードの動作及び接触部に異常があれば、修理又は交換が必要。
潤滑剤(グリース)を使用している場合には必要に応じて塗布する。
導電部の変色、サビ
端子部や接触部に過熱
変色あるいはサビなどの異常がないか、確認する。
絶縁部
がいしなどの絶縁部が汚損していないか
あるいは破損、亀裂がないか確認する。
ねじなどのゆるみ
ねじ類にゆるみがないか確認する。
ゆるんでいる場合は増締めを行う。

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