設置者への問診
保安業務従事者は点検時に、日ごろから電気機器を使用している従業員や設置者に、建物内の電気設備に異常がなかったかの問診を行う。
例)使用している電気設備から、異音・異臭がする
以前、使用できないコンセントがあった。
保安業務事業者は問診により得た情報を月次点検に活用する。
電気機器の故障の可能性が考えられる場合、設置者の許可を取り調査し、場合に応じて臨時点検の計画を立てる。
機器の増設が行われた場合、竣工検査と同様の点検を実施し、施工不良がないかの確認を行う。
引き込み設備の外観点検
- コーキングのひび割れの確認→パテ埋め・防水処理を行う。(①参照)
- 取り付けサドルのねじのゆるみ→増し締めの実施(②参照)
- 保護管の損傷→補修作業実施(③参照)
ケーブルヘッド周辺の外観点検
- 碍子の点検個所(④参照)
・汚損→年次点検の停電時に清掃
・亀裂・損傷→取り換えの計画と更新作業の実施
・バインド外れ→年次点検の停電時に正しくバインド - ストレスコーン(⑤参照)
・絶遠テープの剥離→年次点検の停電時に巻きなおす - ブラケット(⑥参照)
・取り付けねじの緩み→年次点検の停電時に増し締め - 雨覆(⑦参照)
・汚損→年次点検の停電時に清掃
・亀裂・損傷→取り換えの計画と更新作業の実施
・相互間離隔不足→ケーブルの癖を直す。 20mm以上とする。)
・脱落→年次点検の停電時に再取り付け - 三分岐管(⑧参照)
・汚損→年次点検の停電時に清掃
・ひびわれ→防水処理・取り換え - ケーブルシースアース(⑨参照)
絶縁テープ処理の確認 ※
※ケーブルのシースは、原則としてケーブルがZCTを貫通した負荷側で行うこと(1点接地・下図参照)
2点(電源側・負荷側)接地をすると迷走電流が流れ、地絡継電器が不必要動作する可能性がある
高圧架空引き込み(絶縁電線)の外観点検
配電線に取り付けられた開閉器から、架空絶縁電線で、需要家の建物に引き込む方式のこと。
- 高圧絶縁電線(⑩参照)
・径の確認→直径5.5mm^2以上硬動線)
・絶遠被覆損傷→張替更新 - 樹木の接触(⑪参照)
・伐採の要請 - 耐張碍子(⑫参照)
・脱落→再度支持させる
・ひび割れ・破損→取り換え
・汚損→清掃の実施 - 高圧碍管(⑬参照)
・屋内側が下がっている→屋外側を下げる
・亀裂・損傷→取り換えの計画と更新作業の実施
高圧架空引き込み(絶縁電線)の点検ポイント
①更新推奨時期に関するポイント
需要家の多くは架橋ポリエチレンケーブル(CVケーブルなど)が使用されているが、ケーブルの水没や部分的なストレスによって、絶縁に使われる架橋ポリエチレンなどに小さな亀裂が発生し、樹枝状に成長する水トリーが発生することがある。
更新推奨時期を超えているケーブルは速やかに取り換えるよう設置者に助言すること。
②地中埋設ケーブルに関するポイント
地中に埋設しているケーブルの近くで掘削工事などがある場合は、計画段階で電気受任技術者が係り、工事内容を確認すること(工事業者のミスで、ケーブルが断線され、構内停電が発生する危険性あり)
③ケーブル更新の際のポイント
ケーブル更新の際は、電力使用申込書で短絡容量を計算し、ケーブルサイズを選定すること。
また、取り換えを行う際には水トリー対策として効果的なE-Eタイプの採用を設置者に推奨すること。
コメント