臨時点検の定義

「臨時点検」という言葉はさまざまなところで使用されているが
自家用電気設備の保安業務における臨時点検は
事故・災害の発生時または予防のために事前に実施する点検であって、保安規程に定める日常・月次・年次・工事期間中の各巡視・点検および測定・試験以外の業務
と定義づけることができる。
→保安規程に記載した内容以外の点検業務のすべてが
臨時点検として位置付けられることになる。
具体的には以下のように整理できる。
●電気故障(事故)発生に伴う臨時点検
●自然災害などに伴う臨時点検
電気故障(事故)発生に伴う臨時点検

事故発生を知る手段としては
1.需要家から、停電または漏電警報器が発報したなどの連絡された場合
2.需要家の設備に設置している絶縁監視装置などの警報によるもの
がある。
以下、2パターンにわけて解説する。
需要家から連絡を受けた場合の臨時点検
問診
保安管理業務を外部委託する要件として
保安のために必要な事項を委託先の電気保安法人などに連絡するための責任者を
あらかじめ選任しておく必要があり、需要家構内における停電や
漏電警報器の発報などがあった場合の電気保安法人などへの連絡は
連絡責任者を通じて行われる。
そして、受付を行った保安法人などの担当者は、連絡責任者に状況確認を行うとともに
現場対応要員(以下、管理技術者)が到着するまで高圧受電設備などの
危険な場所に人が近づかないように周知する。
また、連絡責任者への問診により、漏電警報器が発報した原因がおおよそ判明した場合は
速やかに該当の機器を停止するよう指導する。
外部委託契約の場合、契約する事業場の定期点検は
事業場の担当者である保安業務担当者などが点検をしなければならないことが
主任技術者制度の解釈及び運用(内規)(以下、内規)に定められているが
臨時点検はほかの者に実施させる場合も多い。
現場の状況把握
現場に到着した管理技術者が最初に行うことは
周囲の事業場を含めた電力会社の配電線が停電していないか確認することとなる。
電力会社の配電線が停電している場合は、構内で発生した事故が波及している場合があるため
速やかに電力会社への連絡が必要となる。
続いて、需要家側の連絡責任者に停電発生時の状況について改めて問診を行う。
電話による問診では把握しきれなかったことや
電話での問診以降に判明した内容についての情報を得ることで、点検をよりスムーズに行うため。
低圧回路のみ停電している場合の対応
低圧回路の停電であっても、上記の対応を行うことが基本となる。
事故点探査も、可能な限りの負荷機器の切り離しによる
絶縁抵抗測定および目視点検を繰り返す方法を行う。
低圧回路の場合は、電圧の違いによる「高圧回路よりも危険度が低い」といった観点から
作業場の安全対策についても十分でない可能性があるため
誤送電防止措置や低圧絶縁ゴム手袋の使用といった
安全対策を怠ると感電やアーク災害などの二次災害につながる可能性がある。
工事や点検作業中に低圧回路を短絡させたことによるアーク災害や
充電回路に接近・接触したことによる感電事故も発生しているため、十分に注意する必要がある。
参考資料
新電気2021年6月号
特集 臨時点検マニュアル~ 電気事故・災害対応と対策 ~ より一部引用

コメント