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三菱製地絡方向継電器MDG-A3V-Rの試験方法まとめ

目次

地絡方向継電器とは

MDG-A3V-Rの特徴

零相電圧検出器(MPD-3 形 ZVT)対応の高圧用の地絡方向継電器となる。
前モデルの零相電圧の最小整定値を 2%へと拡大したほか
整定ステップを細かくしており、各種系統条件に対応している。

零相電圧の親器と子器について

図:20台までの接続の場合

MPD-3 形 ZVT から直接接続できる継電器の上限台数が 20 台まで拡大可能。
MDG-A3 形の拡張端子から、最大 20 台迄、他の継電器へ零相電圧を供給可能。

MELPRO-A シリーズのみで構成する場合に限る。
従来型 MELPRO-A シリーズや MELPRO-D/S シリーズなどと混合して使用する場合
1 台当たり 4 台相当として接続台数を算出すること。
上限 20 台を超える接続はしないこと。

出力接点の復帰方式を自動復帰/自己保持で切替できる。

リレー動作時の入力値(零相電圧零相電流)及び位相を 5 回分記録が可能。

整定を変更すると、数値 LED に変更後の値を約 3 秒間表示する機能を搭載し
整定値の確認が容易となる。

MDG-A3V-Rの各部名称

MDG-A3V-Rの動作説明

保護機能

VT2 次電圧から制御電圧を導入する定電圧回路を内蔵しているので
特別な制御電源を必要としない。

②使用条件設定スイッチにより各使用条件(周波数・出力接点・最大感度角)を設定すること。

零相電圧は、継電器と組合せる MPD-3 形零相電圧検出器(ZVT)の 2 次出力より供給される。
※零相電圧入力は、V0拡張用として、V0拡張用出力端子(M-N)へ導出される。

零相電流は、継電器と組合せる MZT 形零相変流器(ZCT)の 2 次出力より供給される。

⑤零相電圧と零相電流が共に整定値以上となり、更に動作位相となった場合にタイマーが始動し
動作時間整定値以上継続すれば出力接点と動作表示器が動作する。

⑥リレー動作後、零相電流又は零相電圧が整定値未満になるか
動作位相外となると、出力接点が、使用条件設定スイッチで設定された状態(自動復帰又は自己保持)となる。
※動作表示器は、動作表示状態を保持し続けるので表示を復帰させる場合は
表示器の下側に取付けてある復帰レバーを操作すること。

RUN 表示(常時自己監視機能)

制御電源・電子回路・プログラムデータ等を常時監視しており、正常時には緑色 LED(RUN)が点灯する。
異常時には消灯し、数値表示用 LED にエラー E r r を表示すると共に、動作出力をロックする。

数値表示機能

表示選択用切替スイッチにより、数値表示 LED に、下記に示す値を表示する。

① V0 計測

入力零相電圧値を表示する。
V0計測の表示範囲は、

1.0% から 12.0%となる。
1.0% 未満の時は消灯し、12.0% より大きい時は O. F. を表示する

ここで、 100% は 6.6kV 系の 1 相完全地絡時を表し
1 次側電圧 = 3810V、MPD-3 形 ZVT2 次側出力電圧 = 7V となる。

本機能により健全時の残留 V0 の計測が可能となる。

② I0 計測

入力零相電流値を表示する。
I0 計測の表示範囲は、0.05A から 1.5A となる。
※0.05A 未満の時は消灯し、1.5Aより大きい時は O. F. を表示する。)

③ 位相計測

零相電圧に対する零相電流の位相を表示する。
位相計測の表示範囲は、遅れ表示で 0°から 359° となる。
※V0 計測または I0 計測が O. F. の時は、位相計測もO. F. を表示する。

④V0、I0始動

零相電圧、零相電流入力が各整定値以上となった時

を表示する。表示スイッチを「V0、I0 始動」に設定した時は

と表示し、V0検出時に

を、I0検出時に

を表示する。

整定値表示

継電器の整定状態を表示する機能で
V0整定(%)、I0整定(A)、動作時間整定(s)の各整定値を表示する。

使用条件設定表示

表示選択スイッチを「使用条件設定」にすると、使用条件設定 SW1~3 の整定に合せ
周波数、出力接点、最大感度角の整定値を順に約 2 秒間隔で表示後、消灯する。
尚、再度表示させるには表示選択スイッチを一度ほかのポジションへ変更後、再度「使用条件設定」に戻す。

設定例

事故記録機能

①事故記録表示

事故時に動作信号出力すると同時に、動作時の零相電圧、零相電流、位相の各情報を記録する。
表示選択スイッチを各事故記録のポジションに合わせると
最新の記録より順に約2秒間隔で次の記録を表示する。
本機能は5現象分記録可能で、次のリレー動作により新しい動作情報を記録し、古いデータより順に削除される。
尚、事故記録は内部メモリに記録されているで
制御電源OFF後に再度RUN LEDが点灯する状態の電源電圧が印加されると事故データを確認することができる。
また、遮断器動作により制御電源が切れる回路の場合、事故データが記録されないことがある。
記録を残すには、動作後も制御電源を維持する回路構成とすること。
※制御電源用のVTを主遮断装置の1次側に取り付ける等の回路にする。

②事故記録リセット

表示選択用切替スイッチを「事故記録リセット」に選択し
5秒以上保持すると O.K. が表示され、全ての事故記録のデータがクリアされる。

5. 整定変更表示機能

整定を変更すると、数値表示用LEDに変更後の値を約3秒間、優先的に表示する。

MDG-A3V-Rの端子配列

E…アース端子

Y1,Y2…零相電圧検出器(ZPD)接続端子

Z1,Z2…零相電流変流器(ZCT)接続端子

P1,P2…継電器動作用電源端子

M,N…Vo拡張端子(同一構内の他DGR試験機にY1,Y2を出力する際に使用)

a11,a12…トリップ時メークするa接点№1(警報を出力する盤のa接点入力端子)

a21,a22…トリップ時メークするa接点№2(警報を出力する盤のa接点入力端子)

MDG-A3V-Rの外部接続例

MDG-A3V-Rの内部接続線図

MDG-A3V-Rは電圧引外し方式のため、遮断器がCT引外し(電流引き外し)の場合には
MGX-1形補助箱が必要となる。

地絡方向継電器MDG-A3V-Rの試験方法

図:継電器試験器による試験方法(ZPD3線一括による試験時)

●DGR測定試験時に電圧を印加する場合、高圧側から三相一括で印加する場合と、MPD-3TのT端子(テスト端子)から印加する2種類存在する。上図はZPD3線一括による試験結線

MPD-3T内のテスト用端子内のコンデンサ素子はMPD-3C(ZPD)の10倍なので印加電圧が1/10になることに注意する
※T端子に380Vを超える電圧を印加すると危険

●ZCTのkt,lt端子がない場合、ZCTの貫通穴に電流要素コードを貫通させて通電させる。
※電流の流れる方向に中止すること。
ZCTのK側からL側のに電流が流れるように結線する

地絡方向継電器MDG-A3V-Rの動作特性試験 [MDG+ZCT+ZVT組合せ]

①現地試験においては、配線の確認すなわち方向性の確認をするもので
零相電圧検出器の1次側(高圧側)より電圧を印加する。

②本試験を行う場合、主回路は必ず停電していることを確認の上実施すること。

③定格制御電圧を入力すると、RUN表示LED(緑色)が点灯する。
これは、電子回路が正常に動作していることを示す。

④定格制御電圧印加状態で表示選択スイッチを「強制動作」に合わせ、整定をLOCK以外にし
テストボタンを2秒以上押して、接点が強制動作することを確認すること。

強制動作時、動作表示器の変化[黒色→橙色]はない。

動作特性管理点

試験項目I₀整定V₀整定動作時間入力判定基準
I₀動作値各整定最小瞬時V₀=整定値×150%
最大感度角にて
整定値の±10%
V₀動作値最小各整定瞬時I₀=整定値×150%
最大感度角にて
整定値の±25%
位相特性最小最小瞬時V₀=整定値×150%
I₀=整定値×1000%
最大感度角 45° 設定(非接地系用)
遅れ:25~65°
進み:115~155°
最大感度角 10° 設定(PC接地系用)
遅れ:50~85°
進み:90~130°
動作時間特性最小最小瞬時
0.2s
0.3s 以上
V₀=整定値×150%
I₀=整定値×130%
最大感度角にて同時印加
50~100ms
0.1~0.3s
整定値の±20%

MDG-A3V-Rの定格と性能

定格および整定仕様

区分項目MDG-A3V-R / MDG-A3V-RD 共通仕様
定格入力電流0.2A(MZT形 ZCT1次)
入力電圧7V(MPD-3形 ZVT2次)
周波数50/60Hz 切替
制御電圧AC110V(変動範囲 90~120V)
整定I0 動作値0.1 – 0.2 – 0.4 – 0.6 – 0.8 – 1.0A(MZT形 ZCT1次側換算値)
V0 動作値LOCK – 2 – 2.5 – 3 – 4 – 5 – 6 – 7 – 7.5 – 8 – 9 – 10%
(6.6kV完全地絡時=100%:$V_0$ 1次側電圧=3810V、MPD-3形 ZVT2次側出力電圧=7V)
動作時間瞬時 – 0.2 – 0.3 – 0.4 – 0.5 – 0.6 – 0.7 – 0.8 – 0.9 – 1.0s
使用条件設定周波数: 50Hz (SW1-ON) - 60Hz (SW1-OFF)
出力接点: 自己保持 (SW2-ON) - 自動復帰 (SW2-OFF)
最大感度角: 進み 10° (SW3-ON) - 進み 45° (SW3-OFF)

自己監視および動作表示

項目内容
自己監視正常時には RUN LED(緑色)が点灯する。
動作表示表示項目: 「地絡方向」
表示色: 動作時:橙色、復帰時:黒色
状態: 動作時に、黒色から橙色に変わる。
表示復帰レバーの操作により
橙色から黒色に変わる。

数値表示仕様(LED表示範囲)

表示項目表示範囲・内容
V0 計測1.0 ~ 12.0%
I0 計測0.05 ~ 0.09A、0.1 ~ 1.5A
位相計測遅れ 0 ~ 359°($V_0$ 基準)
V0・I0 始動U. – I. で点灯表示
V0 整定Lo.(※1)、2.0 ~ 10%
I0 整定0.1 ~ 1.0A
動作時間整定In.(※2)、0.2 ~ 1.0s
使用条件設定周波数、出力接点、最大感度角の設定値を順に約2秒間隔で表示後、消灯
事故記録 V02.0 ~ 40.0%
事故記録 I00.1 ~ 1.5A
事故記録位相遅れ 0 ~ 359°(V0 基準)
事故記録リセット0.K.(5秒以上ポジション保持にて記録リセット)
強制動作F.O.

注記】

  • ※1 Lo.:LOCK整定時の表示となる。
    LOCKとは、その要素をロックして動作させないためのもの。
    (零相電圧 Vo のみをロックして、地絡継電器として使用する機能ではないので注意。)
  • ※2 In.:瞬時整定時の表示となる。

特性

動作値特性(Io)

零相電圧V0=2%、動作時間T=瞬時整定とし、V0入力を整定値×150%(MPD-3の1次側三相一括にて114.3V)
印加し、 最大感度角にて各整定値電流±10%以内

動作値特性(Vo)

零相電流I0=0.1A、動作時間T=瞬時整定とし
I0入力を整定値×150%印加し、最大感度角にて 各整定値電圧±25%以内

●Vo整定値電圧↓

復帰値特性 (自動復帰設定時)

I0 、V0値共、動作値の90%以上

位相特性

整定:零相電流I0=0.1A、零相電圧V0=2%
動作時間T=瞬時 入力:I0=整定値×1000%(1A)、V0=整定値×150%(三相一括114.3V)
I0動作域(V0基準)

動作時間特性

各整定値、最大感度角にてV0=整定値×150%、I0=整定値×130%、400%を同時に急印

復帰時間特性

慣性特性

整定:零相電流I0=0.1A、零相電圧V0=2%、動作時間T=0.2s
入力:I0=整定値×400%(0.4A)、V0=整定値×150%(三相一括114.3V)を
最大感度角にて同時急印 0.05s間通電にて不動作

参考資料

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/members/document/manual/pror/jep0-il2122/mdg-a3_j.pdf
三菱ディジタル形保護継電器 高圧受配電用 MELPRO™-A シリーズ 地絡方向継電器

形名 MDG-A3V-R, MDG-A3V-RD 取扱説明書より引用

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