設置者への問診
保安業務従事者は点検時に、日ごろから電気機器を使用している従業員や設置者に、建物内の電気設備に異常がなかったかの問診を行う。
例)使用している電気設備から、異音・異臭がする
以前、使用できないコンセントがあった。
保安業務事業者は問診により得た情報を月次点検に活用する。
電気機器の故障の可能性が考えられる場合、設置者の許可を取り調査し、場合に応じて臨時点検の計画を立てる。
機器の増設が行われた場合、竣工検査と同様の点検を実施し、施工不良がないかの確認を行う。
Tr(高圧変圧器)について
受電した高圧を使用中の低圧に変成するもので、動力用の三相変圧器と電灯・コンセント用の単相変圧器がある。
絶縁油を用いた油入り変圧器が一般的だが、屋内で使用する変圧器は、モールド形変圧器をはじめ難燃性の変圧器を用いることが推奨される(火災時の防災対策)
Trの外観点検
保守のポイント
●絶縁油の劣化診断
油入り変圧器内の絶縁油は、使用年月の経過とともに化学変化や汚濁が生じ、劣化が進んでいく。
そのため、定期的に「絶縁耐力試験」および「酸化度試験」を行い、その結果が「要注意」「不良」の場合は取り換えを推奨する。
特に「不良」判定時は至急取り換えが必要となる。
●温度管理
機器本体、電線接続部などの温度管理は、温度計、サーモラベルにより常時監視するほか、放射温度計により、非接触で随時監視を行う。
●異音・振動の原因と防止策
静電放電音(バシーバシー)
原因→接地不完全により発生
対策→接地線を確実に接地端子に取り付ける。
振動音(ビィービィー、ジージー)
原因→電源周波数の変化により放熱器(板)などの共振、および内部締め付け部のゆるみ、名盤や基礎ボルトのゆるみ により発生する。
対策→締め付け部などの増し締めの実施。
内部放電音(ボコッー、ボコッー)
原因→接続部の接触不良、または層間短絡から発生
対策→内部点検の実施。
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