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保安業務従事者の月次点検マニュアル(計器用変成器VT・CT編)

目次

設置者への問診

保安業務従事者は点検時に、日ごろから電気機器を使用している従業員や設置者に、建物内の電気設備に異常がなかったかの問診を行う。

例)使用している電気設備から、異音・異臭がする
  以前、使用できないコンセントがあった。

保安業務事業者は問診により得た情報を月次点検に活用する。
電気機器の故障の可能性が考えられる場合、設置者の許可を取り調査し、場合に応じて臨時点検の計画を立てる。

機器の増設が行われた場合、竣工検査と同様の点検を実施し、施工不良がないかの確認を行う。

VT(計器変圧器)について

高圧回路の電圧(ex:6600V)をこれに比例した電圧(ex:110V)に変成して、計器や保護継電器を動作させるもの
近年は、エポキシレジンモールド型が主流となっている。

保守のポイント 

●VTの1次側ヒューズは、十分な定格遮断電流をもった高圧限流ヒューズを使用する。
(ex:定格電圧7.2kV、定格電流1A、定格遮断電流40kA(定格遮断容量500MVA)
VTヒューズはVT本体の保護用ではなく、VTの一次側が絶縁破壊したときにすみやかに故障電流を限流遮断し、電源回路への事故波及を防止し、電源側を保護するためのもの。

●VTの二次端子は短絡しないこと
 短絡すると過大な電流が流れ、巻き線を焼損することにつながる。

●VTは雷に弱いのため、襲雷後は、必ず点検すること。

●乾式ワニス型、またはコンバウンド充填形のものは、絶縁性能の良いモールド形に取り換えることが望ましい。

●三相3線式回路では、単相用PT2個をV接続とし、二次側の一端子を接地(D種接地工事)して使用すること。

CT(計器変流器)について

モールド形
あらかじめ形成しているコイルと鉄心全体を合成ゴム系あるいはポリエステルなどの合成樹脂で
型造するもので、絶縁性能が優れ、過電流あるいはその他の機械的衝撃にも充分耐える構造とすることができる。

保守のポイント  

●受電中のCTの二次端子は開放しないこと
 CTは使用中に二次端子を開放すると一次電流が全て励磁電流となるため、鉄心が過飽和して磁束が扁平波と
 なる。二次側に尖った異常電圧が発生してCTが焼損することとなる。
 そのため、CTは使用中絶対に二次端子が開放しないようにダブルナットを使用し、電流計(計器)の取り外し、
 取り付けは以下が推奨される。

●三相3線式回路では、CT2個(二次側で)をV接続とし、二次側の一端子を接地(D種接地工事)して使用すること。

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