高圧受電設備(受変電設備)において、事故が発生した際に電路を遮断し
波及事故を防ぐための「心臓部」が主遮断装置となる。
主にCB(遮断器)方式とPF-S(電力ヒューズ・負荷開閉器)方式の2種類がある。
高圧受電設備規程(JEAC 8011)の説明
「保安上の責任分界点の負荷側電路には、責任分界点に近い箇所に主遮断装置を施設すること。」、
主遮断装置は、電路に過電流及び短絡電流を生じたときに自動的に電路を遮断する能力を有するものであること。」
となっている。
CB(遮断器)方式

受電容量が大きく、信頼性が求められる設備(一般的に300kVA超)で採用される方式のこと。
主遮断装置として、高圧交流遮断器を使用し、過電流継電器、地絡継電器などと組み合わせて
過負荷、短絡、地絡、その他の事故時の保護を行う方式。
保護精度が高く、選択遮断も可能なので、重要度の高い設備あるいは規模の大きい設備に用いられる。
現在では遮断器の種類はほとんどが真空遮断器(VCB)だが
古い設備では油入遮断器(OCB)も使われている。
また、CB形は保守点検時の安全確保のため、CBの電源側に断路器(DS)を設置する。
CB形の構成
真空遮断器(VCB)と保護継電器(過電流継電器:OCRなど)を組み合わせて使用する。
CB形の仕組み
継電器が異常電流を検知し
信号を送ることで遮断器が電路を切り離すことが可能。
CB形のメリット・デメリット
- メリット
事故が起きても、原因を取り除けばスイッチ操作で再投入が可能(消耗品交換が不要)。
保護継電器の設定により、細かい遮断特性の調整ができる。 - デメリット
設備が大型になり、コストも高め。
PF-S方式

受電容量が比較的小さい設備(一般的に300kVA以下)で採用されるコンパクトな方式。
限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器とを組み合わせて保護を行う方式。
過負荷、地絡保護を必要とする場合は、引外し装置付きの負荷開閉器を使用する。
限流ヒューズとの保護協調を考慮し、負荷開閉器は必要な遮断能力を持ったものにする。
保守点検時には高圧交流負荷開閉器(LBS)を開放するので
CB 形のように断路器(DS)は必要ない。
また、主遮断装置として非限流ヒューズを使用する場合は
限流効果を期待できないので、設備の短時間耐量について十分注意しなければなりません。
PF・S形の構成
電力ヒューズ(PF)と高圧負荷開閉器(LBS)を組み合わせたもの。
PF・S形の仕組み
過負荷程度の電流はLBSで開閉。
短絡(ショート)などの大きな事故電流が流れると、PFが自ら溶断して物理的に回路を遮断する。
PF・S形のメリット・デメリット
- メリット
設備が安価で省スペース。
ヒューズの遮断スピードが非常に速く、短絡事故に対して強力な保護性能を持つ。 - デメリット
一度ヒューズが飛ぶと、新品に交換するまで再送電できない。
欠相(3線のうち1線だけ切れる)のリスクがある。
※現在はストライカ付で対策されているものが多い
主な装置の比較表
| 項目 | CB方式 (真空遮断器) | PF-S方式 (ヒューズ+開閉器) |
| 主な用途 | 300kVAを超える比較的大きな施設 | 300kVA以下の小規模ビル・工場 |
| 事故後の復旧 | 操作のみで復旧可能 | ヒューズの交換が必要 |
| 短絡保護 | 良好 | 極めて良好(非常に速い) |
| メンテナンス | 定期的な点検・試験が必要 | 比較的シンプル |
| コスト | 高い | 低い |
受電設備方式と主遮断装置の容量制限一覧


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