絶縁電線は、電気を通す導体(主に銅やアルミニウム)の周りを
電気を通さない絶縁体(主にビニルやゴムなど)で覆った電線のこと。
これにより、電流が意図しない場所に流れ出すこと(漏電)や、人に触れて感電することを防ぐ。
目次
絶縁電線の主な役割

- 感電防止: 電気が人体に流れるのを防ぎ、安全を確保する。
- 漏電防止: 電流が電線以外の場所に流れ出すのを防ぎ、電気の損失や火災のリスクを低減する。
- 短絡防止: 複数の電線が接触し、過大な電流が流れること(短絡)を防ぐ。
- 機械的保護: 絶縁体が導体を外部の衝撃や摩擦から保護する役割も担う。
絶縁電線の種類と用途

- IV電線(600Vビニル絶縁電線): 一般的な屋内配線に広く用いられる絶縁電線。
色は黒、白、赤、緑、黄、青などがある。 - HIV電線(600V二種ビニル絶縁電線): IV電線よりも耐熱性に優れており、許容電流も大きくなっている。
- KIV電線(電気機器用ビニル絶縁電線): 柔軟性があり、電気機器の内部配線や制御盤内の配線などに用いられる。
- OW電線(屋外用ビニル絶縁電線): 耐候性に優れた絶縁体を使用しており
屋外での配線(引き込み線など)に用いられる。 - DV電線(引込用ビニル絶縁電線): 架空の引き込み線に使用される絶縁電線で、2心または3心のものがある。
- EM-IE(耐燃性ポリエチレン絶縁電線): エコ電線の一種で、燃焼時に有害物質が出にくい
ポリエチレンを絶縁体に使用している。
絶縁電線とケーブルの違い


絶縁電線は導体を絶縁体で覆ったものであるが、ケーブルは複数の絶縁電線を束ねて
さらに外側をシース(被覆)で覆ったもの。
ケーブルは、機械的な強度を高めたり、複数の配線をまとめて行ったりする際に用いられる。
選定のポイント

- 使用電圧: 電線の使用電圧に合った絶縁耐力を持つものを選ぶ。
- 使用場所: 屋内か屋外か、高温になる場所かなど、使用環境に合った耐熱性や耐候性を持つものを選ぶ。
- 許容電流: 流れる電流に対して十分な許容電流を持つ太さの電線を選ぶ。
- 用途: 配線する場所や機器に合わせて、適切な種類と柔軟性を持つものを選ぶ。
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