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計器用変圧器(VT)が主遮断器の上位に設置されている理由の備忘録

目次

計器用変圧器(VT)についての概略

計器用変圧器(VT)は、高電圧回路の電圧を、計測機器や保護継電器で安全に扱える低い電圧に変換する機器のこと。

計器用変圧器の役割と仕組み

  • 電圧の変換(測定範囲の拡大)
    高電圧を正確な比率で低電圧(通常110V)に変換し
    一般的な計測機器での測定を可能にする。
    これにより、様々な電圧に対応する機器を個別に開発する必要がなくなる。
  • 絶縁
    高電圧回路と計測機器を電気的に絶縁することで
    作業員の感電防止や機器の損傷を防ぎ、安全性を確保する。
  • 機器の標準化
    出力電圧を110Vに統一することで、接続する計測機器や保護継電器を標準化でき
    経済的かつ効率的な運用が可能になる。

計器用変圧器(VT)が主遮断器の上位に設置されている理由

受電設備の高圧単線結線図
絵とき電気設備の保守と点検より画像引用

主遮断装置(LBSCB)が開放しても、PASやASが投入されていれば
PASやASから主遮断器上位までは電圧が印加されたままで危険であり
その電圧を目視で電圧計によって確認できる状態にしておく必要がある。

遮断器の下位に計器用変圧器があると、遮断器が開放された時点で計器用変圧器に電圧が印加されず
PASが投入されて遮断器上位に電圧が加わっていても、電圧計が0Vを表示してしまう。
停復電後の検電は必須であるが、電圧計が0Vであることで検電を怠る可能性が発生し
感電・死傷事故につながる危険性がある。
こうした状態を防ぐために計器用変圧器は遮断器の上位に設置されている。

新電気2024年4月号 キュービクル解体新書より引用

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