「計器用変成器」は、交流回路の高電圧、大電流を低電圧、小電流に変換(変成)する機器で、計器用変圧器(VT)および変流器(CT)の総称。
計器用変成器は、「指示電気計器」「電力量計」などと組み合わせて使用される。
JIS規格の定義
「計器用変成器」とは、電気計器または測定装置と共に使用する電流及び電圧の変成機器で、変流器および計器用変圧器の総称。(電力量計と共に使われる変成器は、JIS C 1731で別途に定められている)
計器用変成器の役割

①測定範囲の拡大・あらゆる高電圧、大電流を110V、5Aに変換して計器に接続。
②絶縁・1次側と2次側を電気的に絶縁して計器を損傷から保護。
③計器の標準化・計器の定格は回路に関係なく110V、5Aに標準化が可能。
④精密測定・製作容易な定格に統一されるので、高精度品の量産ができる。
⑤安全と配線の簡素化・低電圧/小電流のため配線は安全で、遠隔測定も経済的に可能。
VT(計器用変圧器)の役割

高電圧回路の電圧を計器や継電器に必要な扱い易い電圧(通常は110V)に変換する。
主な使用場所
配電盤の電圧計、電力量計、周波数計、力率計、表示灯及び不足電圧引き外しコイルの電源
銘板から得られる情報まとめ

https://www.fujielectric.co.jp/technica/beans/05.html
富士電機「CT(変流器)・VT(計器用変成器)のワンポイントアドバイス」より画像引用
危険事項(VT二次側への短絡)

VTの二次側を短絡 or 低インピーダンスで短絡すると二次巻線に過大な電流が流れ、二次巻線が破損する可能性がある。
また二次巻線の焼損によって一次巻線の絶縁破壊に波及し、相間短絡に至る可能性もあるため、絶対に二次側を短絡させないよう注意
VT(計器用変圧器)の選定要領
用途
一般計器用、継電器用、検定用から判断する
定格電圧
回路電圧(多くの高圧設備の需要家の場合6600V)より決定する
耐電圧
回路電圧および系統回路の絶縁協調により選定する。
例)↓三菱電機製VTの標準耐電圧値

計器用変圧器の耐電圧は商用周波数耐電圧値/雷インパルス耐電圧値を示す。
接地形計器用変圧器の耐電圧は誘導耐電圧値/雷インパルス耐電圧値を示す。
硬度階級
用途、接続する計器及び継電器が必要とする精度より選定する。

定格負担
計器用変圧器に接続される計器および継電器の合計負担VA以上を定格負担とする

負担の小さい電子式計器と組み合わせるVTは定格負担50VA以下のVTを使用する
制限負荷
計器用変圧器を試験用や制御用電源として使用する場合、誤差特性よりも温度上昇が問題となる。
制限負荷=温度上昇が規格いっぱいになる負荷
一次側ヒューズ付計器用変圧器の選定
計器用変圧器の一次側ヒューズは計器用変圧器事態の保護ではなく、計器用変圧器が絶縁破壊し主回路の短絡事故に波及する前に事故VT回路をすみやかに切り離し、事故を最小限にくいとめるもの。
そのため計器用変圧器は一次側にヒューズを装着している機種を選定すること。
例)三菱電機製VT1次側ヒューズの選定例

VTの取扱と保守
手入れ
●塵埃の除去
変成器に付着したじんあいは次の要領でていねいに除去する。
水道水や洗剤,科学ぞうきんなどは界面活性剤等が含まれているため
絶縁低下の原因となるので使用しないこと。
① モールド表面:純水を染み込ませたガーゼ等で除去すること。
② 金属部分(鉄心,端子,取付足,ねじ等):から拭き・エアクリーナー等で除去する。
③ 名板部分:から拭き・エアクリーナー等で除去する。
●)接続部にゆるみがある場合は増し締め
変成器の使用時の注意事項
●計器用変圧器一次側ヒューズの溶断
VTは使用回路において誤接続,過負荷による焼損あるいは過度の異常現象による絶縁劣化のため
絶縁破壊に至る事故が多い。
一次側ヒューズはVTの絶縁破壊時の相間短絡電流によって溶断する。
ヒューズが溶断した時にはVT内部に異常が発生している場合があるので
必ずVTの絶縁性能を確認し,異常があればVTを取替える必要がある。
VTの絶縁性能に異常がなければ,ヒューズの劣化や励磁突入電流によりヒューズが溶断するので
ヒューズを取替えてください。
※ヒューズ溶断が1本でも全数取替えること
ヒューズを取替後,短期間に再度ヒューズが
溶断する場合は,VT内部で絶縁破壊している可能性が高いのでVTを取替え推奨
参考資料
0-vt-ct-zct-0903.pdf
三菱電機株式会社 計器用変圧器 カタログ
より引用
コメント