電磁弁(ソレノイドバルブ)は、電気の力を使って空気や水、油などの流体の流れを自動で切り替えたり
止めたりする装置のこと。
工場などの自動化ラインから、家庭の洗濯機、全自動コーヒーメーカーまで
現代社会のいたるところで使用されている。
電磁弁の基本構造と仕組み

電磁弁は、大きく分けて
「電磁部(ソレノイド)」と「弁本体(バルブ)」の2つで構成されている。
仕組みの流れ
- 通電: 電磁部のコイルに電気が流れると、磁力が発生する。
- 可動: その磁力によって、内部の鉄心(プランジャー)が吸い寄せられる。
- 開閉: プランジャーの動きに連動して弁が開き(または閉じ)、流体が流れる。
- 復帰: 電気を切ると磁力が消え、スプリング(バネ)の力でプランジャーが元の位置に戻り、弁が閉じる or 開く。
作動方式の違い(直動式とパイロット式)
| 方式 | 特徴 | メリット | デメリット |
| 直動式 | 電磁石の力で 直接弁を動かす | 低圧力から作動し 構造がシンプル | 大きな弁を動かすには 強い電力が必要 |
| パイロット式 | 流体自身の圧力を 利用して弁を動かす | 小さな電力で大きな口径の弁を動かせる | 一定以上の圧力(最低動作圧力差)が必要 |
ポート数による分類

「ポート」=流体の出入り口のこと。
- 2ポート弁: 入口と出口が1つずつ。ON/OFF(流す・止める)の切り替えに使用。
- 3ポート弁: 入口、出口、排気口の3つ。シリンダーの作動(押し出し・戻し)などに使用。
- 5ポート弁: 主にエアシリンダーの往復運動を制御するために使用される、より複雑なタイプ。
知っておきたい重要な用語

図:空気用電磁弁の内部構造
●ソレノイド

電磁石のこと。
電磁弁はソレノイドで、電動弁はモータで駆動する。
●パイロット
補助弁のこと。
●ポート
配管接続口のこと。
例)2ポートならば「入口」と「出口」の2つの配管接続口があるタイプになる。
●NC形
通電したときに弁が開くノーマルクローズタイプのこと。
=電気を通していない時に「閉じている」タイプ。一般的で広く使用されている。
●NO形
電気を通していない時に「開いている」タイプ。
停電時に流し続けたい場合などに使用する。
●コア
固定鉄心のこと。
●プランジャ
可動鉄心のこと。
●ストローク
固定鉄心と可動鉄心の距離のこと。
●シェーディングコイル
くま取りコイルのこと。
振動を少なくするために、交流による吸引力の脈動を防止する。
●ガスケット
密閉性などを保たせるために使用されるシール材のこと。
●オリフィス
弁の断面寸法のなかで、直径が最も短い部分のこと。
=絞り箇所のことで、円形タイプが多い。
●耐熱クラス(絶縁種別)
電磁弁に使用されているコイルは、長時間の使用や周囲温度の影響によって劣化が進んでしまう。
そのため、仕様に耐熱クラスを明記することで、その温度を超えて使用できないようになっている。
●皮相電力
交流の電圧と電流の積で求められ、単位は [V・A] 。
●保持電流
ストロークが 0mm の状態(完全吸着時)の電流のこと。
例)(保持時の)皮相電力 ÷ 電圧
= 50 [V・A] ÷ 100 [V]
= 0.5 [A] になる。
●起動電流
規定のストロークで起動した場合の電流値のこと。
例)(起動時の)皮相電力 ÷ 電圧
= 150 [V・A] ÷ 100 [V]
= 1.5 [A] になる。
電磁弁の仕様例

電磁弁を選ぶ際のチェックリスト

- 流体は何か?
→水、空気、油、蒸気など。素材の腐食に関わる - 圧力はどのくらいか?
→高圧すぎると壊れ、低すぎるとパイロット式は動かない - 口径(接続サイズ)は?
→配管の太さに合わせる必要がある - 電圧は?
→ACかDCか、電圧値はいくつか - 設置環境は?
→屋外なら防水仕様、引火性ガスがあるなら防爆仕様が必要
参考資料
新電気2020年 6月号「理論と実務を結ぶ電気のQ&A Question47 配線工事 その4」より一部引用

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