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電気機器によって意味が異なる定格電流についての備忘録①(電動機の場合)

目次

許容電流の概略

導電材料には、導電率の極めて高い銅であっても抵抗があるので
電流が流れるとジュール熱が発生し、温度が上昇する。

このため、流せる電流には限界がある。
電気機器では、電流を多く流すほど出力を大きくすることができるが、これにも限界がある。

電線や電気機器などを使用するためには、どのくらいまで電流を流せるのか目安となる電流値が必要で
この目安となる電流値として定められているのが、定格電流許容電流となる。

定格の主な分類

電気機器の定格は、その機器がどのような時間的なパターンで使用されるかを前提にして
主に以下の3つに分類される。

連続定格

  • 特徴: 指定された条件で、連続して(休みなく)使用することを前提とした定格。
  • 主な適用: 通常の多くの電気機器は、この連続定格を前提に設計されている。

短時間定格

  • 特徴: あらかじめ決められた短い時間だけ使用することを前提とした定格。

反復定格(断続定格)

  • 特徴: 使用と停止を周期的に繰り返す、断続的な使用方法を前提とした定格。
  • 主な適用: クレーンや電車などの電動機(モーター)のように
    動かしたり止めたりを頻繁に繰り返す機器に使用される。

電動機の場合の定格電流

各JISの定義

JEC-2110(回転電気機械一般)で
定格とは、「回転機に保証された使用限度」と定められている。

JEC規格であるJEC-2137(誘導機)では
銘板に表示する定格電流について、「定格出力における1次電流の近似値」と定めている。

日本工業規格(JIS規格)では次のように定めている。
JIS C 4034-1(回転電気機械)で、定格とは、「回転機に保証された使用限度」と定められ
ており、JEC-2110(回転電気機械一般)と同じになっている。

同じJIS規格であるJIS C 4213(低圧三相かご形誘導電動機-低圧トップランナーモータ)で
銘板に表示する定格電流について、「定格出力における電流の近似値を表示する」と定めている。

電動機の定格電流具体例

図:誘導電動機

電動機の定格電流は使用限度を示しており
定格電流が流れた場合に電動機の絶縁材料や導電材料等が定められた温度上昇および最高許容温度を超えないこと
表している。
具体的には、定格出力で電動機を運転したときの流入電流を表していることがわかる。
したがって、電動機の定格電流は、寿命を損なうことなく連続して使用できる限度の電流を表している。


上図に、定格電流の銘板への記載例を示す。
電圧と周波数が異なる3重定格で、定格電流は41.5A、39A、37Aの3種類。
通常、電動機は負荷の軸動力に対して余裕を持った容量が選定されるので
定格出力で連続使用されることは少ないと考えられる。
このため、定格電流が常時流れるような使用はされないのが通常となる。

故障や過負荷などにより定格電流を超えた電流が流れる可能性はある。
その場合、過熱・焼損に至る危険があるので
保護装置としてモータブレーカサーマルリレーなどが設置されている。

参考資料

新電気2023年2月号「現場のギモン?解決塾田沼 和夫第31回 定格電流と許容電流」より一部引用

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