まとめるに至った経緯
中部近畿産業保安監督部近畿支部のホームページ上にて、令和5年度事故情報を閲覧していたら、シュリングバックによるケーブル地絡事故が発生していた。
この現象について認識が不足しているため、今後の保安業務の対策として調べることにした。
https://www.safety-kinki.meti.go.jp/denryoku/2023accident/denki_jiko_2023fy.html
電気事故情報(令和5年度)より
シュリングバックとは
ケーブル製造時の残留応力が日射や通電等によるヒートサイクルに より開放され、シースが収縮する事象。
現象の結果
端末部においてシュリンクバック現象が発生すると、シース端部が 露出して水がケーブルに浸入したり、遮蔽銅テープが破断して絶縁 、最悪の場合、地絡などの事故に至る可能性がある。
特にEMケーブル等のポリエチレンシースケーブルは製造時の残留応力が大きいらしい。(ソース無し)
引用:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.sumiden-kiki.co.jp/products/cable/pdf/release_20210820_1.pdf
シュリンクバック現象が起こる原因
- ケーブル布設時の屈曲・切断箇所
- 運転負荷の大きい使用環境
- 残留応力の大きいケーブル
- ヒートサイクルによる温度変化が大きい場合(負荷電流が大きい)
- 日射など敷設環境によりケーブル表面温度の変化が大きい場合
- ケーブルくせ取りが長い直線状態にある場合
- 大サイズの単心ケーブルの場合
※条件が重なるほどシュリンクバック現象が発生しやすい傾向にあります。
対策
引用:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.sumiden-kiki.co.jp/products/cable/pdf/release_20210820_1.pdf
補足(残留応力について)
材料や構造物に外力が作用していない状態でも、内部で静的に釣合いを保っている応力が存在している場合があり、このような内部応力を残留応力(residual stress)と呼びます。応力には方向があり、物体が外力によってひっぱられ、伸ばされようとするときに発生するものを引張応力といい、反対に外力によって縮めようとするときに発生するものを圧縮応力といいます。他にもせん断応力や曲げ応力などがございます。
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