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高圧受電方式における「出迎え方式」のまとめ

高圧受電における出迎え方式
電力会社が所有する電柱から、需要家側が直接ケーブルを配線して受電する方式のこと。
この方式は、特に電力会社の責任範囲と需要家の責任範囲の境界線(責任分界点)の位置に特徴がある。

通常、高圧受電では敷地内に「第1号柱」という自分たちの電柱を立てて受電するが
それを省略できる特殊なパターン。
主に関西電力管内などで見られる呼び方・方式で、メリットと同時にリスク(波及事故)も抱えている方式となる。

目次

出迎え方式の仕組みと構成

出迎え方式では、電力会社の配電線から
需要家が敷設したケーブルを接続し、需要家の施設内に引き込む。
この際、責任分界点は電力会社の電柱上にある区分開閉器PAS、PGSなど)ではなく
その先のケーブルと接続される点に置かれることが多い。
電力会社の電柱から需要家の受電設備までの間にあるケーブルは、需要家の所有・管理となる。

これに対して、一般的に行われている構内第一柱方式では
需要家敷地内に電柱を建て、そこに区分開閉器を設置し
その開閉器の一次側(電力会社側)と二次側(需要家側)で責任分界点を明確にする。

出迎え方式のメリット・デメリット

メリット

設備投資の削減
構内第一柱方式のように、需要家側で敷地内に電柱を建てる必要がないため
初期費用を抑えることができる。

デメリット

  • 波及事故のリスク
    最も大きなデメリットは、波及事故を起こすリスクがあること。
    電力会社の電柱と需要家の受電設備をつなぐ
    ケーブルで事故(地絡事故など)が発生した場合
    電力会社の区分開閉器が動作しないと、近隣一帯の広範囲で停電(波及事故)を引き起こす可能性がある。

  • 責任の所在
    このような事故が発生した場合、ケーブルは需要家の所有物であるため
    その責任は需要家が負うことになる。

  • 保安管理の複雑化
    電力会社の電柱から受電設備までの
    ケーブル部分の保守・管理は、需要家側で行う必要がある。

設置者の設備のケーブルで絶縁不良(ショートや地絡)が起きると
それを食い止めるスイッチが手前にないため、電力会社の変電所の遮断器が開放してしまう。
すると、同じ配電線につながっている近隣の住宅や工場も一斉に停電(波及事故)を起こしていしまい
損害賠償問題に発展するケースもある。

出迎え方式は、かつて関西電力管内で多く見られていた
近年では波及事故防止の観点から、構内第一柱方式への切り替えが進められている。

出迎え方式の対策(別方式への移行)

上記のリスクがあるため、近年では純粋な「出迎え方式(保護なし)」は推奨されておらず
以下のような対策を行うのが一般的。

UGS(地中線用ガス開閉器)の設置

PASの代わりとなる「UGS」という遮断器を設置する。
これにより、万が一ケーブルより下流(キュービクル内)で事故が起きても
UGSが遮断して波及事故を防ぐことが可能。

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