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臨時点検における対応方法とその事例④(台風災害時の対応)

目次

臨時点検の定義

「臨時点検」という言葉はさまざまなところで使用されているが、自家用電気設備の保安業務における臨時点検は

事故・災害の発生時または予防のために事前に実施する点検であって、保安規程に定める日常・月次・年次・工事期間中の各巡視・点検および測定・試験以外の業務

と定義づけることができる。

→保安規程に記載した内容以外の点検業務のすべてが臨時点検として位置付けられることになる。

具体的には以下のように整理できる。

●電気故障(事故)発生に伴う臨時点検

●自然災害などに伴う臨時点検

臨時点検の点検手順

台風による災害

事前に被害が予想できる災害として「台風の接近」が挙げられる。
台風被害の多くは強風と大雨によるもので、台風接近前に行う臨時点検でその被害を防げる場合も多い

強風による雨水の吹き込み防止

台風通過時に受電設備で起こる事故の1つとして挙げられるのが
強風による受電設備への雨水の吹き込みとなる(上図参照)

1986年以降に製造された
キュービクル式高圧受電設備(JIS C 4602:キュービクル式高圧受電設備(1986年改正))からは
防噴流試験が追加されているため、通気口に雨返し(下図)が設置されている。

図:雨返し構造

しかし、更新推奨年を迎えた高圧機器は更新計画に基づいて順次更新工事を実施されるが
キュービクル本体の更新にまで至っていないのが現状であり
JIS改正前の構造のまま使用しているケースも多い。
台風の接近が予想される場合の臨時点検においては
最初にキュービクル式高圧受電設備の通気口部分の構造を確認すること。
そして、雨水がキュービクル内に侵入しやすい構造であった場合は
一時的に通気口を塞ぐといった対策が必要となる。
※通気口はキュービクル内の温度上昇を抑えるという重要な役割を担っているので
台風が通過した後は塞いだ部分の材料を速やかに取り除き、元の状態に戻すことを忘れないこと。

キュービクルの扉開放防止

屋上や風の通り道などに設置されているキュービクル式高圧受電設備では
強風によって扉が開いてしまう事案が起こっている。
これを防止するために、定期点検時に扉のがたつきや施錠不良などがあるキュービクルの設置者に対して
強風時に扉が開いてしまうことに対するリスクの説明と改修依頼を行っておくことが必要である。

特に扉のがたつきが大きい場合は、台風接近前の臨時点検において施錠の再確認をすると同時に
トラロープなどでキュービクルの周囲を縛っておくなどの準備も災害対策として重要である。
(上図参照)

強風による太陽光パネルの飛散防止

太陽光パネルは、設置者の責任において飛散を防止することが求められており
毎年、台風期前になると経済産業省から台風期前の点検または点検強化について周知されている。
点検のポイントとしては以下のとおり。

[点検ポイント]
電気設備技術基準への適合確認
架台や基礎などに、強度に影響する錆や破損などがないか
太陽電池パネルと架台の接合部に緩みや錆、破損がないか
電力ケーブルやケーブルラック取付部に、緩みや破損がないか
柵やへい、遠隔監視装置などが健全な状態で維持されているか

上記点検によって、強度不足または強度に影響する錆や破損などが発見された場合は
速やかに補強対策を行って台風期に備えることが重要である

また、台風が接近した際は上記のような太陽光パネルの飛散だけでなく
飛来物によって太陽光パネルが破損するといった事故も発生じている(下図参照)

破損した太陽光パネルが原因で火災が発生する可能性も考えられることから
台風の通過直後の太陽電池発電設備の見回りも臨時点検として必要な位置づけとなる。

参考資料

新電気2021年6月号
特集 臨時点検マニュアル~ 電気事故・災害対応と対策 ~ より一部引用

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