目次
定義
時間の経過とともに、製品の品質や機能が低下すること
機器の使用期間と事故率の関係
機器の新設当初は、施工不備による故障やトラブルが多く発生するがその後、トラブルや故障は大幅に減る
(初期故障期→偶発故障期)
機器の耐用年数が経過したところから、経年劣化による絶縁破壊などの電気的な故障から、開閉器の動作不良などの機械的な故障発生確率が高くなる(摩耗故障期)
グラフに示したものを下に記載
故障率曲線(バスタブ曲線)
厚生労働省 職場の安全サイトより引用
劣化のスピードは
- 設備の使用環境
- 使用状況
- 保守・安全
によって大きく変わる
劣化の発生原因
交通量の多い現場では、排気ガスの粒子状物質やホコリが各機器の絶縁部分に付着し、そのホコリなどに水分が付着しされて絶縁が低下、結果的に劣化が早まる
また、キュービクルの錆や腐食部から侵入した雨水や、冬の結露による水滴が各機器の絶縁部分に付着し絶縁低下、機器の劣化が早まる。
変圧器の場合、定格(製造者が保証する出力の値)を超えて使用すると変圧器内部の絶縁油の温度が上昇し、軽負荷時との温度差によって、変圧器内部と外部の空気が呼吸のように出入りする呼吸作用がおこり、外部からの空気に含まれる水部によって絶縁油の酸化が進み、スラッジが生じて絶縁油の絶縁耐力が低下する。
さらにスラッジがコイルや油道に付着すると、油の循環が悪くなり冷却効果が低下し、劣化が早まる。
テンションヒューズ(高圧ヒューズの1つ)では電気室内の温度変化によって膨張・収縮を繰り返し、機械的劣化とともに励磁突入電流などによる熱的劣化によりヒューズエレメントが誤溶断する可能性がある
経年劣化を防ぐ対策方法
月次点検や日常点検による計画的で正しい保守・保全を行う必要がある。
特に重要なのは停電による年次点検時の経年劣化対策
- 日常点検では触れない箇所を点検・整備・清掃し、絶縁抵抗低下を防ぐ
- 冬の結露対策としてスペースヒーター↓を設置して、キュービクル内部の温度を上げる。
コメント