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サーモカメラの仕組み

すべての物体は、その温度に応じた「赤外線」を放射している。
サーモカメラは、光(可視光)ではなく
この赤外線を専用のセンサーで捉えて画像に変換する。
- 絶対零度(-273.15℃)以上の物体は、すべて赤外線を出している。
- 温度が高いほど赤外線は強く、低いほど弱くなる。
- カメラ内部でその強弱を計算し
私たちが理解しやすい「色(ヒートマップ)」に置き換えている。
サーモカメラにおいて重要な3つの指標

サーモカメラを正しく選んだり使ったりするために
避けては通れないキーワードがある。
| 用語 | 内容 |
| 放射率 (Emissivity) | 物体がどれだけ効率よく赤外線を出すか。最も重要。 |
| 空間分解能 (IFOV) | どれだけ細かい部分まで温度を測れるか。 カメラにとっての「視力」。 |
| 温度分解能 (NETD) | わずかな温度差をどれだけ正確に見分けられるか。 |
「放射率」の落とし穴
金属などは温度が高くても赤外線をあまり出さず
周囲の熱を反射してしまうため、設定を間違えると
「実際の温度と全く違う」ということが起きる可能性がある。
サーモカメラでできること(活用事例)

建物診断
壁の雨漏り(水の気化熱で温度が下がる)や、断熱材の欠損を特定。
電気・機械点検
配電盤の異常発熱や、モーターの摩擦熱を早期発見し
火災や故障を防ぐ。
医療・ヘルスケア
体表温度の変化から血流障害や炎症の兆候を確認。
研究開発
電子基板のどこに負荷がかかっているかを精密に分析。
サーモカメラ使用時の注意点

壁の向こう側は見えない
基本的に「表面の温度」を見ているだけのため
壁の裏に熱源があって、その熱が壁の表面まで伝わってこない限り
透視はできない。
ガラス越しには測れない
ガラスは赤外線を反射・吸収してしまうため
ガラスの向こう側の人の温度を測ることはでない
※ガラス自体の温度を測ることになる。
水中は見えない
水も赤外線を強く吸収するため、水中の温度分布をカメラで捉えるのは困難となる。
サーモカメラ選定方法(参考)

スマホ一体型か、スタンドアロン型か
手軽さならスマホに挿すタイプ(FLIR ONEなど)
現場仕事なら堅牢な専用機。
解像度は十分か
安価なものはモザイクのように粗いことがある。
用途に合った解像度を選ぶこと。
解析ソフトの有無
撮影した後にPCで詳しく温度分布を調べたい場合
専用ソフトが使いやすいメーカーを選定する。

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