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高圧真空遮断器についての基礎知識まとめ

目次

高圧遮断器の概略


受電設備では定常状態ばかりではなく
短絡事故地絡事故などの異常状態も発生する。

具体例

短絡事故の場合、数千アンペアという大電流が流れるが
ケーブルは数百アンペア程度の耐電流性能しかないので、発熱により被覆が溶融して発火する。
また、変圧器コンデンサなどの高圧機器も、このような大電流に耐えることはできない。


そのため事故電流は瞬時に遮断する必要がある。
短絡電流のような大電流を一般の開閉器で遮断しようとすると
電極間にアーク放電が発生して、遮断できず、開閉器自体が損傷してしまう可能性がある。
消弧機能(アーク放電を消滅させること)を有しており
定常状態の開閉に加えて、事故時においても回路を開閉できる機器が遮断器となる。

高圧真空遮断器の外観

引き出し型

左図:真空遮断器(前面) 右図:真空遮断器(後ろ面)

上左図、上右図 はキュービクルに設置された真空遮断器で
遮断器本体を母線から切り離して引き出せるタイプ。
※各種インターロック機構が内蔵されており、規定の手順通りでなければ挿入・引出しができないようになっている。

このタイプは、断路器(DS)の機能を持っているのと同じことになるので
保守が容易で安全性も高い。
※価格は高い。

固定型

左図:真空遮断器(前面) 右図:真空遮断器(後ろ面)

高圧真空遮断器内の真空バルブ

真空バルブ内は高真空となっており、この中で対向した接点を開く。
アークシールドは蒸発した金属粒子が絶縁容器に蒸着するのを防ぐために設置する金属の筒のこと。

真空遮断器の動作

左図:真空遮断器切り状態(開閉表示器「切」緑色) 
右図:真空遮断器入り状態(開閉表示器「入」赤色)

操作方式

ばね操作とソレノイド(電磁石)操作があるが
最近はばねの力で遮断するばね操作方式が多い。
ばね操作方式には、ばねを蓄勢する方式の違いにより、手動ばね操作方式と電動ばね操作方式とがある。
手動ばね操作方式は手でハンドルを回して、ばねに力を蓄えて蓄勢する。
一方、電動ばね操作方式は小形電動機が内蔵されており、この電動機によりばねを蓄勢する。

蓄勢:遮断器が動作できるように、ばねに力を蓄えている状態のこと。これに対して遮断器が動作した後など、ばねに力が蓄えられていない状態を放勢という。

上図は、手動で入切しているところで
操作ハンドルを握って入・切の操作をする。

保護継電器動作時の真空遮断器の対応方法

過電流地絡などの保護継電器が動作し、真空遮断器が遮断動作(トリップ)した場合は
必ず動作原因を調査し、原因を取り除いた後に真空遮断器を投入しなければならない。

安易にVCBを投入すると2次被害の発生や波及事故につながる可能性があるので注意


原因を特定後、復旧操作方法を、上図に示す。
遮断後に真空遮断器を投入するには、通常、リセット操作が必要ですので注意すること。
誤操作防止のために、操作時はハンドル指針と開閉表示器により
遮断器の状態を確認することが重要となる。

高圧真空遮断器の引き外し方式

遮断器が「入」状態で運転中に、保護継電器が事故を検出すると引外し指令により
トリップコイルに電流が流れて、遮断器を引外すことができる。
引外し方式の主なものには、下記方式を参照。

過電流引外し方式

変流器の二次電流を遮断器のトリップコイルに流して引外す方式。
特別な電源を必要としないので、最も安価な方式であり
従来から高圧受電設備で一般的に使用されているが、他の方式に比べて信頼性は低い。

電圧引外し方式

トリップコイルに電圧を印加して引外す方式。
別途、制御電源(通常は直流電源)を必要とするが、信頼性は高い。

コンデンサ引外し方式

コンデンサの放電エネルギーによって引外す方式。
専用の制御電源を使用するので、電圧引外し方式と同じく信頼性は高い。

コンデンサ引外し装源


コンデンサ引外し装源により常時充電されている。(上記図参照)
充電中は赤色の LED が点灯する。
停電作業などでコンデンサを放電させる場合は、赤色の LED が消灯するまで
放電スイッチ(左下黒色スイッチ)を押す。

不足電圧引外し方式

引外し装置に電圧を印加しておき、引外し回路の電圧が低下したことを検出して引外す方式。
停電時に遮断したい場合などに使用する。
別途制御電源を必要とする。

高圧真空遮断器の保守・点検方法

左図:高圧絶縁測定 右図:清掃

絶 縁  

真空遮断器の絶縁物表面に塵埃や化学物質などが付着した状態で
高湿度状態になると、絶縁抵抗が低下してトラッキングが発生する場合がある。
トラッキングが進展すると、地絡や相間短絡事故に至る危険がある。
上記の事故を未然に防止するためには上左図のように
定期的に絶縁抵抗測定を行って絶縁状態を確認することや
上右図のように絶縁物の表面の入念な清掃を行うことが重要となる。

真空度

真空バルブ内は高真空に保たれており、点検はできない。
微小な損傷や腐食等による真空漏れや、遮断時の電極溶融によるガス放出などにより
真空度が低下する場合がある。
真空度が低下すると絶縁破壊電圧が下がり、事故時に遮断不能になるだけでなく
遮断器そのものが絶縁破壊するおそれがある。
したがって、真空チェッカなどを使用して、定期的に真空度を測定する。

注油

真空遮断器は一般的に開閉回数が少ないため、機構部の潤滑が行われにくい傾向がある。
塗布したグリースの経年変化により油分が失われ、動作が重くなり、投入不良やトリップ不良を生じることがある。
このため、定期的な動作点検と注油の実施が必要となる。

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