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表面漏洩電流についての備忘録(補足用)

表面漏洩電流(ひょうめんろうえいでんりゅう)とは
電気機器や配線などの絶縁体の表面を伝わって流れる微弱な電流のこと。
本来、電流は導体の中を流れるものですが、絶縁体の表面に水分、塵埃、油などの不純物が付着すると
これらの不純物を介してわずかな電流が流れることがある。

目次

表面漏洩電流の原因

表面漏洩電流の主な原因としては、以下のものが挙げられる。

  • 水分・湿気: 絶縁体表面に水分や湿気が付着すると、電気伝導性が高くなり、電流が流れやすくなる。
  • 塵埃・異物: 絶縁体表面に塵埃や油などの異物が付着すると、不純物を介して電流が流れることがある。
    特に、吸湿性の高い塵埃や導電性の異物が付着すると、漏洩電流が増加する傾向がある。
  • 塩分・化学物質: 海に近い場所や化学工場など、塩分や腐食性のある化学物質が存在する環境では
            これらが絶縁体表面に付着し、漏洩電流の原因となることがある。
  • 結露: 温度変化などにより、絶縁体表面に結露が生じると、水分によって表面漏洩電流が発生しやすくなる。
  • 絶縁体の汚染: 長期間の使用により、絶縁体表面が徐々に汚染され、漏洩電流が増加することがある。

表面漏洩電流の影響

  • 絶縁抵抗の低下: 表面漏洩電流が増加すると、絶縁体全体の絶縁抵抗が低下します。
  • トラッキング現象: 絶縁体表面に付着した塵埃などが水分を吸収し、そこに電流が流れると
             炭化物が生成されることがある。この炭化物が導電路となり
             さらに電流が流れやすくなる現象をトラッキング現象と呼ぶ。
             トラッキング現象が進行すると、短絡や発火につながる危険性がある。
  • 誤動作: 微弱な表面漏洩電流が、電子回路の誤動作を引き起こす可能性がある。
  • 腐食: 表面漏洩電流が長時間流れると、絶縁体や周辺の金属部品を腐食させる可能性がある。

表面漏洩電流の測定方法

表面漏洩電流を直接測定することは難しい場合が多いが、絶縁抵抗計を用いて絶縁抵抗を測定することで
間接的に表面の状態を評価することができる。絶縁抵抗が低い場合表面漏洩電流が増加している可能性が考えられる。

また、漏れ電流クランプメーターを用いて、配線全体を挟んで漏れ電流を測定することで、表面漏洩電流を含む微小な漏れ電流を検出することができる。

表面漏洩電流の対策

  • 清掃: 絶縁体表面に付着した水分、塵埃、油などの汚れを定期的に清掃する。
  • 乾燥: 湿気の多い環境下では、換気や除湿を行い、絶縁体表面を乾燥した状態に保つ。
  • 防水・防湿対策: 電気機器や配線を防水・防湿性の高いケースに収納したり、コーティング処理を施したりする。
  • 絶縁コーティング: 絶縁体表面に絶縁性の高い塗料やコーティング剤を塗布し、表面の汚染や水分付着を防ぐ。
  • 環境改善: 塩分や化学物質が多い環境下では、電気機器や配線を
        密閉性の高いケースに収納するなどの対策を検討する。
  • 定期的な点検: 定期的に絶縁抵抗測定や目視点検を行い、表面の汚れや劣化の状況を確認する。。
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