MENU

 ノーヒューズ遮断器(NF)についての基礎知識まとめ

ノーヒューズ遮断器(NFB)は
電気回路を過負荷短絡(ショート)から保護するための重要な電気機器。

国際的にはMCCB(Molded Case Circuit Breaker)と呼ばれているが
日本では三菱電機が開発したMCCBの商品名である「NFB」が一般的に普及している。

目次

ノーヒューズ遮断器(NF)の役割

ノーヒューズ遮断器の主な役割は
電路に異常な電流(過電流)が流れた際に、自動的に電気回路を遮断し
電線や接続されている機器を損傷や火災から保護すること。

ノーヒューズ遮断器(NF)の仕組み

ノーヒューズ遮断器は、ヒューズのように溶断することで回路を遮断するのではなく
内部に組み込まれた機構によって回路を遮断する。主な遮断方式は以下の通り。

熱動式(バイメタル式

過電流が流れると、内部のバイメタル(熱膨張率の異なる2種類の金属を貼り合わせたもの)が熱で変形する。
この変形が引き外し装置に作用し、ブレーカーの接点を開いて回路を遮断する。
比較的ゆっくりとした過電流過負荷)に対応する。

電磁式

大電流(短絡電流)が流れると、内部の電磁コイルに発生する磁力によって可動鉄心が引き寄せられる。
この動きが引き外し装置に作用し、瞬時にブレーカーの接点を開いて回路を遮断する。
瞬時の大電流(短絡)に対応する。

これらの機構が連携して、過負荷と短絡の両方から回路を保護する。

開閉機構の機能

ノーヒューズ遮断器(NF)の用途

ノーヒューズ遮断器は、家庭の分電盤から工場などの産業設備まで、幅広い場所で使われている。

  • 住宅: 分電盤の各分岐回路に設置され、家電製品の使いすぎによる過負荷や、短絡事故から回路を保護する。
  • ビル・工場: 幹線や動力回路など、より大きな電流が流れる箇所にも使用され、設備全体の保護を行う。
  • 各種機器: モーター保護用遮断器など、特定の機器の保護に特化したタイプもある。

メリットとデメリット

メリット 

  • 繰り返し使用可能
    ヒューズと異なり、一度動作しても交換の必要がなく、スイッチをONに戻すだけで復旧できる。
    これにより、復旧作業の手間やコストを削減できる。
  • 高い安全性:
    過負荷や短絡時に迅速に回路を遮断し、電線や機器の損傷、火災などの事故を未然に防ぐことが可能。
  • メンテナンス性:
    状態確認が容易で、定期的な点検も比較的簡単。

デメリット 

  • 導入コスト
    ヒューズに比べて初期導入コストが高くなる場合がある。
  • サイズ:
    ヒューズよりも大きくなる傾向がある。

漏電遮断器との違い

ノーヒューズ遮断器は「過電流(過負荷や短絡)」から回路を保護するが
漏電」を直接検知して遮断する機能はない。

漏電遮断器(ELB)
回路の行きと帰りの電流の差を検知することで漏電を感知し、回路を遮断する。

現在の分電盤には、ノーヒューズ遮断器と漏電遮断器の機能が統合された
「漏電遮断器(漏電保護機能付き配線用遮断器)」が主流となっている。
また、単相3線式回路では、上記で説明した「単3中性線欠相保護機能付き漏電遮断器」が使用されるのが一般的。

参考資料

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/document/catalog/lvcb/yn-c-0388/y0388q1811.pdf
三菱ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器漏電アラーム遮断器単3中性線欠相保護付ノーヒューズ遮断器単3中性線欠相保護付漏電遮断器漏電リレー・リモコン機器・サーキットプロテクタ
取り扱いと保守より 画像引用

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次