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太陽光発電システムにおける日射計についての基礎知識まとめ

発電効率の評価を行うとき、太陽電池モジュールに入力される日射量が重要となります。これによって、電気に変換される際の日射量を把握することが可能となる。

目次

日射計の測定原理

日射計は、太陽光のエネルギー量を測定するために
主に2つの原理を使用する。

熱電堆(サーモパイル)式

太陽光を吸収して熱に変換し、その熱によって生じる電圧を測定することで日射量を算出する。
広い波長範囲を測定できるため、高精度な測定が可能。

シリコンフォトダイオード式

太陽電池と同じ原理で、光を電気信号に変換して日射量を測定する。
安価で応答が速いが、測定できる波長範囲が狭いという特徴がある。

日射計の構造

一般的な日射計は、以下のような構造になっている。

ガラスドーム

画像上部にある半球形の透明なカバーです。内部のセンサーを雨、風、ほこりなどから保護する。
二重構造になっているものもあり、温度変化による測定誤差を抑える役割も果たす。

受感部(センサー)

ガラスドームの下にある黒い部。
太陽光を吸収して日射量を測定する。

水準器

多くの日射計には本体を水平に設置するための水準器が備えられている。
正確な測定には、水平な設置が不可欠となる。

日射計の役割と用途


発電量監視

実際の発電量と日射量データを比較することで
PCS(パワーコンディショナー)太陽光パネルの性能が低下していないか
あるいは故障していないかなどを判断するのに役立つ。
もし日射量が多いにもかかわらず発電量が低い場合は
何らかの異常が発生している可能性
がある。

性能評価

システムの設計段階での発電量シミュレーションと
実際の運用時のデータを比較することで、発電所の性能を評価できる。

保守・点検

日射計の測定値は、定期点検の際に発電量の予測値と実測値を比較する重要な手がかりとなる。
例えば、発電量監視装置のモニターで予想値と実際の発電量を比較する際に
日射計のデータが利用される。

日射計の点検ポイント

点検ポイント

・変形、破損、汚損の有無
・固定ボルトの緩み、外れの有無
・信号線の外れの有無

点検ポイントの補足

太陽電池モジュールに入力される日射量を正確に計測するために
太陽電池モジュールと同じ角度で日射計を設置する必要がある。
日射計が必要以上に傾いている場合は、取り付け角度を調整して固定することが推奨される。
また、日射計の上部はガラス素材のため、汚れが付着していると正確な計測が行えない。
そのため、点検時はレンズクリーナーなどの柔らかい布で汚れを除去しておくこと

参考資料

新電気 2019年5月号 現場の電気保安実務 第158回 「パワーコンディショナーと関連機器の点検ポイント」より一部引用

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