目次
設備容量についての概略

設備容量とは、施設や設備が持つ理論上の最大の供給・受電能力のこと。
- 供給側(発電所など)
発電設備が理論上、連続して供給できる最大の電力(kWやMW)を指す。 - 需要側(工場やビルなど)
その施設に設置されているすべての電気機器の定格消費電力の合計を指す。
例)モーター、照明、エアコンなどの定格値を合計したものです。
※あくまで「箱の大きさ」や「理論的な総量」を示し、実際に同時に使われる電力ではない。
最大電力についての概略

最大電力(または最大需要電力)とは、需要側において
ある一定期間内(例えば1年間や1ヶ月間)に実際に使用された最も大きな電力の値(kW)を指す。
- これは、すべての設備が同時にフル稼働することはないという現実に基づいている。
- 電力会社との契約電力の算定基準となることが多く
特に高圧以上の受電では、この最大電力が基本料金を決定する重要な要素になる。
設備電力と最大電力の関係性

設備容量と最大電力の関係性を表すのに
需要率という指標が用いられる。
関係性のポイント
●最大電力は設備容量を超えることはない
設備が持つ能力(設備容量)以上に電力を使用することはできない。
したがって、最大電力 <設備容量の関係が常に成り立つ。
●需要率による現実的な評価
施設内のすべての機器が同時に稼働することは稀なため、需要率は100%未満となる。
最大電力は、設備容量にこの需要率をかけた現実的な最大使用電力の目安として見積もられる。

電力システムへの影響
●設備設計
変圧器や幹線などの受電・配電設備の容量は、設備容量の総和ではなく
最大電力(つまり需要率を考慮に入れた値)を基準に見積もることで
過大な設備投資を防ぎ、経済的な設計を行う。
●電力会社との契約
電力会社は、需要家の最大電力を基準に供給設備を確保し、契約電力を決定する。
これにより、すべての需要家の最大需要を確実に賄えるようにシステムを運用する。
設備電力と最大電力の比較表


コメント