契約電力とは、電力会社と高圧以上の電気を使用する需要家(工場、ビル、商業施設など)が
交わす電力供給契約の基盤となる数値のこと。
これは、需要家が電力会社から受け取る電気の「最大供給能力」を示すもので
主に電気料金の基本料金を決定するために用いられる。
目次
契約電力の決定方式

契約電力を決定する主な方式は、需要家の設備状況や利用形態によって異なり
主に以下の3つがある。
設備契約 (kW契約)
需要家が設置している受電設備や機器の容量に基づいて
契約電力を決定する方式。
- 決定基準
受電設備(変圧器、リアクトル、力率改善コンデンサなど)の容量や
需要家が同時に使用する可能性のある機器の容量(負荷設備容量)の合計から
電力会社が定める計算式(デマンド率や力率などを考慮)によって決定される。 - 特徴
契約を結んだ時点で容量が決まるため、実際の使用状況に関わらず
設備の変更がない限り基本料金は一定。
実量契約(デマンド契約)
過去の電力使用実績に基づき、契約電力を決定する方式で
高圧受電の契約では最も一般的。
- 決定基準
過去1年間(または直近の計測期間)の中で
30分間の平均使用電力(デマンド値)の最大値をもって
翌年(または翌期間)の契約電力とする。
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最低契約電力
電力会社の供給設備維持のため、需要家の使用実績に関わらず
契約上設けられる最低限の契約電力のこと。
非常に使用量が少ない場合でも、この最低契約電力に基づいた基本料金が発生する。
契約電力 500 kW 未満の契約(契約設備)電力算出式一覧表

契約電力 500 kW 未満の契約(契約設備)電力算出例
●設備容量300kVAの設備がある需要家の場合
P[kw]=0.6×300+15
=195kw
P:契約電力[kw]
ΣS:受電設備容量[kVA]

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