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非常用発電設備のメンテナンスに関する法律のまとめ

目次

非常用発電設備とは

非常用発電設備のメンテナンスを行う意義

「停電時にただちに始動し、目的の機器(負荷)に電力を供給すること」
が非常用発電設備に求められる役割

通常、長時間の停電が発生することは数年に1回発生するかどうか程度
→いつ発生するか不透明なため、常に停電に対して非常用発電設備が運転可能な状態にしておく必要がある。

非常用発電設備は停電時以外に使用することはないので、不具合の特定が困難な設備。
→停電時に正常な運転を行うために、定期的なメンテナンスが必要。

消防法による点検

令和3年消防庁告示第6号「消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検表の様式を定める件」で定められた点検基準及び報告書式に従って点検を実施することが義務付けられている。

具体的な点検内容

  1. 負荷運転に代えて内部観察などを行うことができる
  2. 負荷運転および内部観察などの点検周期は 6 年に 1 回
  3. 原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要
  4. 換気性能点検は負荷運転時ではなく、無負荷運転時などに実施する

点検は、半年に 1 回の機器点検と 1 年に 1 回の総合点検が基準として定められており
1 年に 1 回は負荷試験機を接続し、30 分間に定格出力の 30%以上の負荷をかけて発電機を連続運転させ
常に正常な出力が確保できるのか確認しておかなければいけない。

「機器点検」「総合点検」は消防設備士または消防設備点検資格を有する者が実施する必要がある。

内部観察について

「過給器コンプレッサ翼およびタービン翼ならびに排気管などの内部観察」
「燃料噴射弁などの動作確認」
「シリンダ摺動面の内部観察」
「潤滑油の成分分析」
「冷却水の成分分析」など

機器点検   

設備外観の目視点検が主で、燃料や潤滑油の漏れがないことを点検後、無負荷試運転を行い、始動性や発電電圧、周波数、各部計器類が正常であることを確認する。

総合点検  

機器点検の内容に加えて、発電機や各部回路の絶縁抵抗測定、保護装置類の実動作試験、負荷運転による性能試験などを追加で点検する。

建築基準法による点検

令和5年国土交通省告示第207号「建築設備等の定期検査報告における検査及び定期点検における点検の項目、次項、方法及び結果の判定基準並びに検査結果表を定める件」に従って点検を実施することが義務付けられている。

実際のところ、消防法で定める非常用発電設備と兼用されていることがほとんどのため、点検内容も上記の消防法による点検基準を基に一部修正して作成されることが多い

建築物の設備、構造、設備および用途に関する最低の基準を定めて
国民の生命、健康および財産の保護を図り、公共の福祉を増進することを目的としており
大規模な建物には、常用電源が遮断した場合に備えて
予備電源(防災用自家発電設備)の設置が義務づけられている。
また、点検を定期的に行うことと、6ヵ月 〜1年の間隔で特定行政庁が定める時期に
点検結果などの報告をすることも義務づけられている。

電気事業法による点検

非常用自家発電設備は、自家用電気工作物であるため、電気事業法の規定により、以下のことが義務づけられている。

  1. 事業用電気工作物の維持/技術基準適合維持(電気事業法第 39 条)
  2. 保安規程の制定、届出及び遵守(電気事業法第 42 条)
  3. 主任技術者の選任及び届出(電気事業法第 43 条)

点検は、電気主任技術者の監督のもとに保安規程に定める点検内容を一定の周期で行い
その設備が技術基準に適合するように維持しなければならない。

※一定の周期は半年に一回以上にしていることが比較的多い。
 なお、病院などの停電時被害が多い場所は周期を短くしているところもある。

非常用発電設備のメンテナンスに関する法律一覧表

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