絶縁耐力試験(=耐電圧試験)は、電気機器や電線などの絶縁部分が
予期せぬ異常電圧(雷サージや開閉サージなど)に耐えられるかどうかを
直接確認するための非常に重要な試験。
目次
絶縁耐力試験の目的

電気設備が通常の使用状態だけでなく、事故や異常時にも絶縁破壊を起こさず
火災や感電を防げるかを確認するために行われる。
●絶縁破壊の確認
絶縁体に高い電圧をかけ、火花が飛んだり
電流が急増したりしないかを確認する。
●信頼性の証明
製造時や保守点検時に行い、機器の健全性を担保する。
絶縁抵抗試験との違いの比較表

| 項目 | 絶縁抵抗試験(メガー) | 絶縁耐力試験(耐圧試験) |
| 目的 | 絶縁の「劣化具合」を数値化する | 絶縁が「壊れないか」を直接確認する |
| 電圧 | 低め(DC 250V〜1000Vなど) | 高め(使用電圧の約2倍程度) |
| 判定基準 | 抵抗値(MΩ)が規定以上か | 1分間耐えられるか(破壊しないか) |
電気設備の技術基準の解釈での規定

絶縁耐力試験を実施する上で
まずは「電気設備の技術基準の解釈」(以下、解釈)を確認する。
関係するものを以下に示す。
① 解釈第15条【高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能】
高圧又は特別高圧の電路は
各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
- 同条第一号 15-1表に規定する試験電圧を電路と大地との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
- 同条第二号 電線にケーブルを使用する交流の電路においては、下記表に規定する試験電圧の2倍の直流電圧を電路と大地との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

表1 高圧または特別高圧の電路の試験電圧(解釈15-1表の抜粋)
② 解釈第16条【機械器具等の電路の絶縁性能】
変圧器の電路は、各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
- 同条第1項第一号 下記表中欄に規定する試験電圧を
同表右欄に規定された試験方法で加えたとき、これに耐える性能を有すること。

表2 変圧器の電路の試験電圧(解釈16-1表の抜粋)
- 同条第6項
開閉器、遮断器、電力用コンデンサ、誘導電圧調整器、計器用変成器その他の器具の電路
並びに発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する機械器具の接続線及び母線は
各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。 - 同条第6項第一号ロ
使用電圧が高圧又は特別高圧の電路においては、解釈第15条第一号の規定に準ずるものであること。 - 同条第 6 項第二号ロ
電線にケーブルを使用する機械器具の交流の接続線又は母線においては
解釈第 15 条第二号の規定に準ずるものであること。
まとめ

交流耐圧の高圧受電設備:高圧引込用開閉器、断路器、高圧負荷開閉器、高圧カットアウトスイッチ、変圧器、電力用コンデンサ、リアクトルなど
交流および直流耐圧の高圧受電設備:高圧ケーブル となる。
参考資料
新電気2020年7月号 現場の電気保安実務 第 172 回
自家用電気工作物における 高圧受電設備の絶縁耐力試験 より一部引用
オーム社 絵とき 電気設備技術基準・解釈 早わかり 2023年度版 より一部引用

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