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磁気飽和についての基礎知識まとめ(理論)

目次

磁気飽和についての概略


鉄のような強磁性体に磁界Hを0から加増すると、下図のように磁束密度Bが磁界Hに対して増加する。

図:磁化曲線(B-H曲線)

さらに磁界Hが大きくなるとBの増加量が小さくなって、ついにはBは飽和し一定値に達する現象を磁気飽和という。

計算式からわかる磁気飽和

磁束密度Bと磁界Hの関係は、
B = μH [T]
※BがHに比例関係にある間磁束密度μは一定
 しかし、飽和という現象が示すように、磁束密度μは常に一定ではない。
 この「磁束密度Bは一定の磁界H以上に増加しない」ことを磁気飽和現象という。

ヒステリシスループによる磁気飽和の説明

    磁気飽和は透磁率μで整理する。
    透磁率μは、真空の透磁率μ₀[H/m]と真空以外の一般の物質の透磁率μsとの積で表される。

    μsμ/μ₀
    →μ=μs・μ₀[H/m]

    μ0= 4π×10^-7 (H/m)
    μsは軟鉄で数千(1000くらい)、パーマロイでは10⁶以下。真空中のμsは1で、空気中もほぼ同様に扱われます。

    したがって、鉄心が磁気飽和する前は、透磁率μは一定になり比透磁率μS によって磁束密度が決まる。
    磁気飽和した場合、真空の透磁率μ0 が優勢となりμが小さくなる。
    鉄のような磁性体にはヒステリシス特性がある(上図:ヒステリシスループ参照)。

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