目次
太陽電池モジュールの概略
太陽電池モジュールは、太陽光発電システムの中心となる部分で
太陽の光エネルギーを直接電気エネルギー(直流)に変換する。
一般的には「太陽光パネル」と呼ばれる。
仕組みの基本
- 半導体の利用
主にシリコンなどの半導体(N型とP型)を接合した「太陽電池セル」で構成される。 - 光電効果
太陽光がセルに当たると、光電効果により電子が励起され
N型とP型の間で電位差(電圧)が生じ、電流(直流)が流れる。 - モジュール化
多数のセルを直列・並列に接続し、強化ガラスなどで保護してパネル状にしたものがモジュールとなる。
モジュールで発電された直流電力は、パワーコンディショナーで交流に変換され
家庭内での使用(自家消費)や電力会社(売電)への売電に利用される。
モジュールの出力特性(I-V特性)について

モジュールの出力特性をI-V特性といい
横軸を電圧V、縦軸を電流Iとした曲線で描かれ
正常な場合は上記図のようになる。
I-V特性は主に次の3つの要素で表される。
開放電圧VOC
モジュールの両端を開放状態にしたときの電圧で、光の強さ(放射照度)が強いほど、また温度が低いほど開放電圧は高くなる(下記図参照)。
※一般に、開放電圧が高いほどモジュールが良好であるといえる。

短絡電流ISC
モジュールの両端を短絡したときに流れる電流で、放射照度が強いほど短絡電流は大きくなるが
温度の影響は比較的小さい(下記図参照)。
また、太陽電池の劣化や陰の影響により、短絡電流が小さくなることがある。

最大出力Pmax
最大出力Pmaxは、最大出力電圧Vmpと最大出力電流Impの積で求められる。
なお、モジュールが最大の出力を得られる点のことを
最大出力点MPP(Maximum Power Point)ともいう。
また、理論上の最大出力は開放電圧VOC × 短絡電流ISCで表され
曲線因子(FF値)を求める際に用いられる。
I-V特性からはモジュールに不具合が発生しているか否か、あるいはどのような異常が発生しているかを
推測することが可能な場合があるため、メンテナンスをするうえで非常に重要な指標となる。
太陽光メンテナンスガイドより一部引用
p53-53

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