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高圧送配電の仕組みについての基礎知識まとめ

目次

高圧送配電の仕組みの概略

高圧送配電の仕組みは、発電所から遠く離れた家庭や工場に
電力を効率よく届けるための重要なシステムのこと。

電力は電圧が高ければ高いほど送電中のロスが少なくなるため
発電所から消費地までの経路で段階的に電圧を上げ下げしている


高圧送配電のプロセス

1. 発電と昇圧

発電所で作られた電気は、まず超高圧変電所数万ボルトから数十万ボルトという超高圧に昇圧される。
これは、送電時の電力ロスを最小限にするため。

電力ロス

電線には抵抗があるため、電流が流れると熱が発生し、電力が失われる。
この損失は電流の2乗に比例するため、電圧を上げて電流を下げると、ロスを大幅に減らすことができる。

2. 送電

昇圧された電気は、鉄塔に張られた送電線を通して、遠く離れた消費地へと送られる。
この区間が、一般的に「送電」と呼ばれる。

3. 変電と配電

消費地の近くにある変電所では
電気が使用される場所に合わせて、段階的に電圧が下げられる

  • 一次変電所
    数十万ボルトから十数万ボルトに電圧を下げる。
  • 配電用変電所
    最終的に、6600Vの高圧まで電圧を下げ、街中の電線(配電線)に送られる。

そして、電柱の上にある柱上変圧器
家庭用の100Vまたは200Vまで最終的に電圧が下げられ、各家庭へと電気が届けられる。
ビルや工場などの大規模施設には、柱上変圧器を通さず、6600Vの高圧が直接引き込まれる場合もある。
→高圧受変電設備(キュービクル電気室など)

高圧送配電の設備

発電所

水力や火力発電所などの各発電所でつくられた1万〜2万5000 Vの電圧の電気は
27万5000 Vあるいは50万 Vもの超高電圧に変圧されて送電線へ送り出される。

超高圧変電所

次の一次、二次変電所へ送電するために
15万4000 Vにまで変圧される。

一次変電所/二次変電所

次の配電用変電所へ送電するために、ここでさらに7万7000 Vあるいは3万3000 Vにまで変圧される。
また、一部の電気は、鉄道会社や大規模工場、ビルなどの大量に電気を必要とする場所に送られる。

配電用変電所

各地区(街なかの電線)に配電するために、6600 Vに変圧される。
また、中規模工場やビルなどに直接送電される。

柱上変圧器/高圧受電設備

一般家庭へは、電柱の上にある柱上変圧器(トランス)で
100 Vまたは200 Vに変圧され、送電される。
また、工場や商業施設などへは、設置されている高圧受電設備で100 Vや200 Vに変圧されて、送電される。

参考資料

新電気 2024年3月号 キュービクル解体新書より一部引用

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