ナイフスイッチは、電気回路の開閉を手動で行うための開閉器の一種。
その名の通り、ナイフのような形状をした金属製の電極(刃)を
同じく金属製の電極(刃受)に差し込むことで、回路を閉じて電流を流す仕組みになっている。
目次
ナイフスイッチの仕組みと特徴

手動による開閉
レバーなどを操作することで、刃を刃受に挿入や引き抜きを行い
回路のON/OFFを切り替える。
ヒューズとの組み合わせ
ナイフスイッチ自体には、過電流を自動で遮断する機能はない。
そのため、過電流保護のためにヒューズと組み合わせて使用されることが一般的。
過剰な電流が流れるとヒューズが溶断し、回路が切れて電流の流れを止める。
露出した電極
従来のナイフスイッチは、電極部分が露出していることが多く、感電や短絡のリスクがある。
そのため、現在は電極部が樹脂製のカバーで保護された「カバー付ナイフスイッチ」が主流となっている。
ナイフスイッチの種類

極数
単極、2極、3極、4極など、流したい電流の数に合わせて選ばれる。
方式
- 単投(ON-OFF): 単純に回路の開閉を行うタイプ。
- 双投(切替): 2つの回路を切り替えることができるタイプ。
例:非常用電源への切り替えなどに使われる。
用途による分類
- 標準ナイフスイッチ: 一般的なON/OFF用。
- 無切断型ナイフスイッチ: 切り替え時に一瞬たりとも回路を切断しない特殊なタイプ。
- 極性切替器、転極スイッチ: 電流の極性を切り替えるためのスイッチ。めっき工場などで使用されることがある。
ナイフスイッチの用途と安全性

かつては古い工場や住宅の配電盤などで広く使われていましたが
近年では安全性や利便性の観点から、配線用遮断器(ブレーカー)への置き換えが進んでいる。
ナイフスイッチの安全性に関する課題
- 感電・アーク放電のリスク
- カバーのないナイフスイッチは電極が露出しているため、操作時に感電の危険がある。
- 回路を開閉する際に、大きな電流が流れていると
電極間でアーク放電が発生することがあり、火傷や火災の原因となる可能性がある。
- 過電流保護の不十分さ
- ヒューズは過電流が流れると瞬時に溶断するが
容量オーバーのような緩やかな過電流を検知するのが苦手。 - ヒューズが1本だけ溶断した場合、モーターなどの機器が単相運転となり
機器を損傷させる可能性がある。
- ヒューズは過電流が流れると瞬時に溶断するが
- 手動操作の制約
- 手動で操作するため、過電流発生時に自動で回路を
遮断するブレーカーと比べて、即座の対応が難しい。
- 手動で操作するため、過電流発生時に自動で回路を

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