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再閉路方式とは

配電線に発生した一時的な事故(瞬時事故)によって遮断器が開放した後
自動的に電力を再投入(再閉路)し、迅速な復旧を図るための仕組みのこと。
1分間の無電圧時間の理由

配電線の事故の多く(特に架空線)は
落雷、強風による樹木の接触、鳥獣の接触など、原因が短時間で解消する「一時的な事故」がほとんどである。
再閉路の手順
- 遮断器の開放(トリップ)
事故が発生すると、変電所の保護リレーがそれを検知し
すぐに遮断器を開放して事故区間を切り離す。 - アークの消滅と原因の除去
遮断器が開放され無電圧状態になると、事故点で発生していたアーク放電(火花)が消滅し
一時的な接触物(木の枝など)が離れることで事故原因が自然に解消する。 - 約1分後の再閉路
約1分間(これは「低速度再閉路」と呼ばれる動作時間の一種で、電力会社や設備により異なるが
配電線では一般的な時間設定)の無電圧時間を設けた後、遮断器が自動的に再び投入(再閉路)される。
約1分間は、アークを確実に消滅させ、事故点周辺の空気を絶縁状態に戻すために必要な時間となる。
復旧の成否

- 再閉路で復旧する場合
一時的な事故原因が解消していれば、電力供給は自動で復旧し
停電は約1分間の「瞬時停電」で済む。 - 再閉路で復旧しない場合
事故原因が解消していない場合
(例:電線の断線や設備自体の故障など)
遮断器はすぐに再度開放する。
この場合は、作業員が出動して事故点を特定・修理する本格的な停電となる。
通常、再閉路の試行は1~2回に制限され、それ以上は事故の拡大を防ぐために
自動再閉路はロックされる(最終遮断)。
したがって、配電用変電所の遮断器が開放し、約1分後に再閉路したということは
一時的な事故が発生したものの、再閉路によって自動的に復旧したことを示している。

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