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ロックアウトリレー(86)についての基礎知識まとめ

目次

ロックアウトリレーの概略

発電機制御盤におけるロックアウトリレー(Lockout Relay)は
システムの安全を確保するための非常に重要なコンポーネントのこと。

ANSI(米国国家規格協会)のデバイス番号では「86」と呼ばれるため
現場では単に「ハチロク」と呼ばれることもある。
電気回路の状態をロックして、安全が確認されるまで再起動させないための装置として使用される。

ロックアウトリレーの役割

発電機遮断器(CB)の回路において
重大な故障(重故障)が発生した際に、以下の2つの動作を同時に行うリレーのこと。

  1. 遮断器をトリップ(開放)させる。
  2. 故障原因を取り除いて「手動でリセット」するまで、遮断器を再投入できないように電気的にロックする。

ロックアウトリレーの必要性(通常の補助リレーとの違い)

通常のリレーは、信号がなくなれば元の状態に戻るが
発電機で「内部短絡」や「過電流」などの重大な事故が起きた場合
原因を調査せずにすぐに再起動(再投入)すると
機器が完全に破壊されたり、火災が発生したりする恐れがある。

ロックアウトリレーがあることで
「人間が現場に行って、異常がないことを確認してリセットボタンを押す」という工程を
強制的に介在させることができる。

ロックアウトリレーの特徴

多接点

1つのリレーで10個〜20個以上の接点を持っているものが多く
一度に「発電機遮断器のトリップ」「燃料遮断」「エンジン停止」「警報表示」「上位システムへの通報」などを
同時に行う。

保持機能(ラッチ機構)

電気的に動作した後、その状態を機械的に保持する。
停電しても「故障した」という記憶は基本的に消えない。

手動復帰(Manual Reset)

ほとんどのタイプが、表面のレバーをカチッと回したり
ボタンを押し込んだりすることでリセットする構造になっている。

発電機制御盤での動作フロー

発電機の運転中に「内部故障」が発生したと想定する。

  1. 検知
    保護継電器(比率差動継電器 87Gなど)が異常を検知。
  2. 動作
    保護継電器の信号がロックアウトリレー(86)に送られる。
  3. ロック
    86が動作し、瞬時に複数の接点が切り替わる。
    • 接点A:発電機用遮断器を強制トリップ。
    • 接点B:エンジンの燃料遮断弁を閉止(強制停止)。
    • 接点C:制御盤の投入回路を「断」にする(物理的にボタンを押しても電気が流れない)。
    • 接点D:故障表示灯を点灯させる。
  4. 復旧
    作業員が原因を調査・修理した後、86のリレーを手動でリセット。
    これで初めて再始動が可能になる。

単線結線図・盤外接続図におけるロックアウトリレー

まとめ

項目内容
デバイス番号86 (ANSI)
主な役割重故障時の緊急停止 + 再起動の阻止
復帰方法人による手動リセット(現場確認を強制するため)
主な用途発電機内部故障、変圧器故障、バスダクト故障など

発電機制御盤において、86リレーが動作している(レバーが倒れている)ということは
「何らかの異常があり、システムが保護された状態」を意味する。
あくまで、発電機の系統離脱または緊急停止を要するような故障状態の確認しかできない。
→原因を調査・解決を行う必要がある。

参考資料

西日本発電機株式会社 自家発電装置 取り扱い説明書より引用

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