定格遮断電流(Rated Breaking Capacity)とは、遮断器(ブレーカーやヒューズなど)が
規定の条件下で安全に遮断できる最大電流のこと。
回路に短絡事故などが発生し、大きな異常電流が流れた場合に、遮断器がこの定格遮断電流以下の電流であれば、
焼損や爆発などの事故を起こすことなく、確実に電流を遮断できる能力を示している。
目次
定格遮断電流の重要性

- 電気設備の保護: 定格遮断電流を超える電流が流れると、遮断器が正常に動作せず
電気設備が損傷したり、火災の原因になったりする可能性がある。 - 安全性の確保: 事故時の電流を確実に遮断することで、人身事故を防ぎ
安全な電気環境を維持するために不可欠な要素となる。 - 機器選定の基準: 電気設備の設計や機器選定の際には、想定される最大短絡電流よりも
大きな定格遮断電流を持つ遮断器を選定する必要がある。
定格遮断電流の単位
定格遮断電流の単位は、通常 キロアンペア (kA) で表される。
短絡電流のような大きな電流を扱うために単位がkAとなる
定格遮断電流と定格電流の違い
定格遮断電流
定格電流(Rated Current): 遮断器に連続して流すことができる最大電流のこと。
これを超える電流が長時間流れると、遮断器が過熱し、最終的にはトリップ(遮断)する。
定格遮断電流
遮断器が事故時に安全に遮断できる最大の一度限りの電流のこと。
こちらは瞬時に流れる大電流に対する遮断能力を示す。
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定格電流について(用語説明)
定格電流(ていかくでんりゅう、Rated Current)とは、電気機器や電線などが設計上、連続して安全かつ正常に流すことができる最大の電流値のこと。単位はアンペア (A) …
定格遮断電流の確認方法
定格遮断電流の値は、遮断器本体やカタログ、取扱説明書などに記載されている。
通常は「Icu」や「Icn」といった記号で表示され、その後に数値と単位(kA)が続く。

chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/members/document/manual/vcbvmc/jnec-si-0725/si0725m.pdf
三菱高圧真空遮断器 パネル取付形(手動ばね操作) 形名 VF-8D/13D 取扱説明書 より引用
定格遮断電流を選定する際の注意点

- 最大短絡電流の予測: 設置場所で発生する可能性のある最大の短絡電流を正確に予測する必要がある。
- 安全率の考慮: 予測される最大短絡電流に対して、ある程度の安全率を持った
定格遮断電流の遮断器を選定することが推奨される。 - 設置場所の環境: 設置場所の電圧や周波数などの条件も考慮する必要がある。

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