電気主任技術者の工事期間中の仕事内容

電気主任技術者は、事業用電気工作物の保安監督を行う専門家であり、工場、ビル、発電所、変電所など
様々な場所で電気設備の安全を守る非常に重要な役割を担っている。
仕事内容は多岐にわたるが、その中に工事の監督(点検も含む)業務が存在する。
電気主任技術者は、新設や増設などの変更工事の際に、施工状況とともに隠ぺい場所や接地極などが電気設備技術基準に適合しているかといった、工事期間中でなければ点検できない部分を重点的に点検する必要がある。
高圧機器の基本的な点検ポイント

原則として、高圧機器は絶縁耐力階級6号A(商用周波耐電圧22kV、雷インパルス耐電圧60kV)のものを使用し
その接続箇所においては充電部が露出しないように施設されていなければいけない。
やむを得ず露出する場合は、作業者が容易に触れないように防護する必要がある。
また、屋外に使用する碍子や機械器具は、塩害地区(電力会社が定める塩害地区)の場合
耐塩害用のものを使用すること。
避雷器の点検ポイント

①技術基準の解釈(以下、解釈)第37条より、高圧架空電線から供給を受ける電力容量が500kW以上の受電設備の場合、引込口に避雷器が設置されているか。
ただし、安全上500kW未満でも、日本海側などの雷が多い地域では取り付けることが望ましい。
②JISC4608「6.6kVキュービクル用高圧避雷器」またはJEC-2374「JEC-2374酸化亜鉛形避雷器」に適合したものであるか。
③避雷器の接地極が単独の場合、ほかの接地極から1m以上離し、14mm²の電線を使用しているか。
ただし、開閉器と避雷器を同一柱に取り付ける場合は
各接地線は連接または共用とする
(最近は、区分開閉器に避雷器が内蔵されているものが主流であるため、共用接地が一般的)。
避雷器と接地線の関係

避雷器にはA種接地工事を施すが、ここで注意が必要になるのは接地線の太さである。
技術基準上では、A種接地工事は2.6mm(5.5mm2)以上の太さの電線を使用すればよい(解釈第17条)が
高圧受電設備規程では避雷器のA種接地工事には14mm^2以上の太さの電線を
使用しなければならないとされている。
避雷器内蔵の開閉器は外観上、避雷器内蔵ではない開閉器と大きな違いがないため
誤って5.5mm^2の電線を使用していることがあるので注意すること。
また、避雷器内蔵ではない開閉器からの取り換え時にも注意が必要となる。
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