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大地抵抗率についての基礎知識まとめ

大地抵抗率とは、大地の電気の通りにくさを表す値のこと。

大地抵抗率は、土の種類や水分量あるいは温度の影響を受ける。
また、その他にも土壌に含まれている水分に溶解している物質の濃度
土壌の粒の大きさや粗密(締まり具合)などにも影響を受ける。

目次

大地抵抗率の重要性

接地工事(アース工事)は、地中に埋めた接地極を通じて電気を大地に逃がすことで
感電や機器の故障を防ぐことが目的となる。
このとき、接地抵抗 (R) の値は、以下の式のように大地抵抗率に比例する。

R=ρ×f(fは接地極の形状・寸法で決まる関数)

つまり、接地抵抗率が低ければ低いほど、少ない接地極で目標とする接地抵抗値
(A種なら$10Ω以下、D種なら100Ω以下など)を達成しやすくなる。
接地工事の設計を行う際には
まず現地の大地抵抗率を測定し、最適な接地方式や接地極の規模を決定する必要がある。

土の種類

左:地層・岩石の大地抵抗率例  右:地形種類の大地抵抗率例

特定の種類の土壌について、その抵抗率を明確に示すのは困難となる。
(およその目安となる値はわかるので上記表参照)。

一般に、大地抵抗率が 500Ω⋅m を超える場所では接地工事は難しくなる。

水分

土壌が水分を含んでいるとその大地抵抗率は急速に低下する。
(上記図参照)
これを利用して接地抵抗を測定する際、コンクリート舗装された場所に補助電極を設置する場合
水をかけて十分に湿らせて接地測定が可能となる。
※補助電極とコンクリートの接触抵抗を低減させる目的も含まれている。

温度

水分の次に大地抵抗率に大きく影響を与えるのが温度となる。
一般に大地抵抗率は温度が高い夏に低く、温度が低い冬は高くなる傾向にあり、季節により変動する。
それに伴って上記図 に示すように接地抵抗も周期的に変動する。
季節変動

季節変動は大規模な接地工法になるほど、小さくなる。
また、電極の形状や埋設深さにより変動に差がある。
電極が浅く(短く)埋設している場合は季節変動が大きく
地中深く埋設している場合はあまり変化しない。

経年的変動について

季節変動には含まれない、規則性のない接地抵抗値の変動を経年的変動という。

例)上記図 の「棒状接地電極:接地棒」の 2003 年 11 月と 2004 年 11 月では接地抵抗値が大きく異なる。

経年的変動の主な要因

  • 近隣での地下水の汲み上げや、大型土木工事などの人工的要因による含水率の変動
  • 異常気象など自然要因に伴う含水率の変動(大雨・乾燥・低温・高温など)
  • 接地電極の腐食による電極の痩せ細りや切断
  • 接地抵抗低減剤の流出・材質劣化に伴う接地抵抗の上昇
  • 施工不良による接地抵抗の上昇(接地極と土壌との密着性の不良、施工時の周辺土壌の締め固め不足など)

大地抵抗率を左右する要因一覧

参考資料

新電気 2019年8月号 特集THE 接地 より一部引用

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