竣工検査についての概略
竣工検査は、建設工事が完了した際に
設計図書や契約内容どおりに建物が施工されているかを確認する重要なプロセスのこと。
建物が引き渡される前に、品質、機能、安全性などが適切であるかを検査し
不具合（是正事項、手直し工事）があれば特定し、修正を求めることを目的としている。
竣工検査の主な目的
- 契約内容との合致確認
設計図書や仕様書、契約内容に沿って工事が完了しているかを確認する。 - 品質の確保
施工品質が基準を満たしているか、瑕疵がないかを確認する。 - 機能性の確認
設備機器や保護装置が正常に作動するか、期待される機能を満たしているかを確認する。 - 安全性の確認
構造的な問題や、利用上の危険性がないかを確認する。 - 不具合の特定と是正
検査で発見された不具合や問題点を記録し、施工者に修正を指示する。 - 引渡し前の最終確認
外部精密点検のチェックポイント
外部精密点検とは、通常の点検に加えて、電気設備を停止させて実施する点検で
受電設備と発電設備において、それぞれ以下のポイントについて確認する必要がある。
(1) 受電設備
① 必要な箇所に所定の接地工事が行われているか。
② アークを発生する機器と可燃性物質との間隔は十分あるか。
③ 高圧機器の充電部が、取扱者が容易に触れられないように施設されているか。
④ 回路中の必要な箇所に、回路に磁気が生じたときに自動的に電路を遮断する装置が施設されているか。
⑤ 高圧電路中の必要な箇所に「遮断器」を設置しているか。
⑥ 架空電線路から供給を受ける受電電力 500kW 以上の需要設備の引込口に「避雷器」はあるか。
⑦ 受電場所に必要な柵・塀はあるか。また出入口に危険標識、施錠装置、消火器があるか。
⑧ 高圧電路には、誤接続や誤操作を防ぐための相別の表示が施されているか。
⑨ 必要な測定装置が設置してあるか。
⑩ 受電設備の点検が安全に行えるか。
⑪ 配電盤の照明設備は十分あるか。
⑫ 機器が完全に固定されているか。
⑬ 受電設備のケーブル引込み、引込口などの隙間から、動物が侵入するおそれはないか。
⑭ 受電設備内に雨水や雪などが浸入するおそれはないか。
発電設備
① 必要な計測装置が設置されているか。
② 必要な保護装置が設置されているか。
③ 発電設備のケーブル引込み、引込口などの隙間から、動物が侵入するおそれはないか。
④ 燃料貯蔵設備に十分な容量があり、発火・爆発のおそれはないか。
⑤ 発電機での主遮断装置の遮断容量は十分か。
⑥ 非常用予備発電装置において、運転時に常用電源と非常用電源との切り替えが
安全かつ的確に行うことができ、また常用電源と非常用電源とが電気的に接続できないようになっているか。
⑦ 燃料系、潤滑油系、冷却水系において漏水がないか。
⑧ 高音部に対する断熱処理は適切か。
⑨ 内燃機関において、騒音や振動、排煙による影響がないか。
保護継電器の整定
電力会社との保護協調がとれるように、地絡継電器と過電流継電器が整定されているか。
参考資料
新電気2024年８月号 現場の保安実務「竣工検査について」より引用
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