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電気主任技術者の工事期間中の点検・確認ポイントのまとめ(高圧架空引込設備編)

目次

電気主任技術者の工事期間中の仕事内容

電気主任技術者は、事業用電気工作物の保安監督を行う専門家であり、工場、ビル、発電所、変電所など
様々な場所で電気設備の安全を守る非常に重要な役割を担っている。

仕事内容は多岐にわたるが、その中に工事の監督(点検も含む)業務が存在する。

工事の監督業務:電気設備の設置や改修工事が、関係法令や技術基準に従って
        安全に行われているかを監督する。

電気主任技術者は、新設や増設などの変更工事の際に、施工状況とともに隠ぺい場所や接地極などが電気設備技術基準に適合しているかといった、工事期間中でなければ点検できない部分を重点的に点検する必要がある。

高圧架空引込設備の点検

使用電線の確認

電気設備の技術基準の解釈(以下、電技解釈)第117条より、高圧架空引込線には
「高圧絶縁電線または特別高圧絶縁電線」「引下げ用高圧絶縁電線」「高圧ケーブル」を使用するよう定義されている。このため、使用されている線がこれに適合しているかを確認すること。
また、下記左図に高圧絶縁電線、下記右図に高圧ケーブルでの引き込み施設例を示す。

取り付け高さを離隔距離 

引込線自体は、設備容量などに応じて配電会社が施工するが、ポイントはその取り付け高さとなる。
取り付け高さによっては、引込線の地上高が不足して施工ができないケースも発生する。
地上高は、解釈第68条、第117条などに基づいて、地上の用途などにより決められている。
道路横断などの場合は特に注意が必要になる。
また、建物や植物などとの離隔を確保することも忘れてはならない。工事計画の際、引込場所の選定とともに
引き込み線の取り付け高さを確保できる支持物を選定すること
電技解釈第71条より、高圧架空引込線と建造物との離隔距離が下記表のとおりになっているか確認すること。

区分開閉器(PAS)の操作紐の位置

区分開閉器の操作紐は、地上高2.5m以上で操作が容易にできる位置に緊縛しておくこと。
第三者が簡単にほどくことができる高さまで紐を長くせず、ぶら下げておかないようにすること。

引き込み設備構内中の継電器について

引込場所に近い場所には、地絡が発生した場合に開閉器や遮断器を開放する地絡継電器(GR)を設置しなくてはならないため、引込開閉器に付属することが多い。
これには、地絡電流のみを検出して動作する無方向性の地絡継電器が一般に使用される。
ただし、構内の対地静電容量が大きいと、構外の地絡事故を検出して地絡継電器が誤動作することがあるため
そのような設備では地絡方向継電器(DGR)を採用する。
地絡保護協調の検討では、引込点の地絡継電器は最小電流、最小時限を原則とする。
ただし、対地静電容量による誤動作の起きない電流整定としたり
複数の地絡継電器と協調をとったりする必要がある場合は配電事業者と協議して決定する。

竣工検査時の外観点検

制御線などの接続間違いがないか
締め付け不良がないか
 を確認する
このときVT内蔵機器であれば外部の電源は不要のはずだが、機種選定が後になった場合や
外部電源が不要であるという認識なく電源を施工した場合には
開閉器の更新工事をする場合に外部電源が存在することがある。
この場合は、内蔵電源のほうが設備信頼度が高いため、外部電源は撤去する。
継電器試験では、開閉器との連動動作試験と整定した電流値・時限における動作電流試験および動作時限試験、零相動作試験を行う。
継電器そのものは工場で出荷試験を行っており、その結果をもって機器の良否を判定することができるが
施工工程を挟むため、開閉器などとの連動は現場で必ず確認すること。

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